サイズの合わない靴を履き続けたり、踵を強打して組織にダメージを負ったなどの心当たりがないにも関わらず、踵に痛みを訴えるケースとして、「ふくらはぎのトリガーポイント」や「坐骨神経痛」によるものがあります。
トリガーポイントは、筋肉のオーバーユースなどによって、筋肉が硬くなり、筋肉内にロープ状の索状硬結を触れることが特徴です。
その筋肉内の索状硬結が引き金となり、「局所」と「局所から離れた関係のない場所」に痛みを引き起こす「関連痛パターン」が出現します。
トリガーポイントは、筋肉の痛みの一つなのです。
さて、ふくらはぎの筋肉のトリガーポイントは、「ふくらはぎ」だけでなく、「踵」や「足裏」にまで痛みを引き起こす「関連痛パターン」をもちます。
ふくらはぎのトリガーポイントが原因で、「踵」や「足裏」など、「ふくらはぎ」から離れた場所にも、痛みが出現する可能性が出てくるのです。
トリガーポイントによる痛みを軽減する為には、ふくらはぎの筋肉内の索状硬結を同定し、その索状硬結に直接治療を行うことが大切になってきます。
トリガーポイントの治療法として、マッサージや低周波治療器など、さまざまな優れた治療法が存在します。
それらの治療法の中でも、鍼治療も効果的であると考えております。
鍼は、筋肉の緊張を和らげ、そして痛みを軽減させる効果があります。
また、鍼は、体内に刺入することが出来る為、索状硬結への直接のアプローチが可能です。
鍼は、トリガーポイントによる筋肉の痛みの治療法として、非常に効果的であると考えております。
トリガーポイントの他に、坐骨神経痛が原因で、踵に痛みを引き起こすケースもあります。
坐骨神経痛とは、例えば、「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」などにより、坐骨神経が圧迫されることで出現する症状の名前です。
坐骨神経痛は、「お尻」から「もも裏」、「ふくらはぎ」や「踵」、そして「足裏」にかけての痛みやシビれなどが多くみられます。
坐骨神経は、腰椎(腰の背骨)と仙椎(仙骨)から出る脊髄神経です。
背骨から出て、お尻の深くを通過し、神経の名前を変えながら、もも裏、ふくらはぎ、踵、そして足先にまで走行する非常に長い神経です。
坐骨神経の走行からみても分かるように、坐骨神経痛によって出現する部位は、多岐にわたります。
また、慢性的な坐骨神経痛でお悩みの方の多くは、お尻の筋肉が硬くなっている傾向があります。
お尻の筋肉の中でも、お尻の奥深くにある「梨状筋」は、坐骨神経痛と大きく関係しているといわれております。
梨状筋は、坐骨神経の近くにある筋肉です。
梨状筋が硬くなることで、坐骨神経を圧迫し、坐骨神経痛につながるのです。
坐骨神経痛を軽減させる為には、梨状筋をはじめとしたお尻の筋肉の緊張を和らげることが大切になってきます。
お尻の筋肉の緊張を和らげる方法として、鍼治療が効果的です。
坐骨神経痛と大きく関係のある梨状筋は、お尻の奥深くにあります。
直接刺入出来る鍼であれば、梨状筋への直接のアプローチが可能です。
坐骨神経痛と鍼治療は、非常に相性が良いのです。
踵の痛みでお悩みの方、鍼治療を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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