「中殿筋」は、お尻の筋肉の一つであり、バランス能力に大きく関わる筋肉です。
「サイドステップ」や「階段の昇降」など片足で身体のバランスをとる場面で、活躍します。
お尻の筋肉には、「大殿筋」、「中殿筋」、「小殿筋」などがあり、これらの筋肉は、身体の中でも大きく、そしてパワフルな筋肉です。
これらのお尻の筋肉に共通していえることは、股関節を動かす作用があることです。
- 「大殿筋」は、股関節を後ろに動かす(股関節の伸展)作用があります
- 「中殿筋」と「小殿筋」は、股関節を外側に動かす(股関節の外転)作用があります
- 「小殿筋」は、「中殿筋」の奥深くにあり、筋肉の大きさは「中殿筋」の約半分です
「中殿筋」と「小殿筋」は、筋肉の走行と作用が類似している為、ここからは「中殿筋」を股関節を外側に動かすお尻の筋肉としてお伝えします。
ヒトが直立二足歩行が出来るのは、お尻の筋肉が他の動物と比べて、非常に発達しているおかげです。
四足動物が直立二足歩行を行おうとしても、まず出来ません。
進化の過程で、ヒトが直立二足歩行を獲得する上で、お尻の筋肉が発達したのではないかと考えられます。
お尻の筋肉は、股関節を動かすと同時に、直立二足歩行を行う為に欠かすことが出来ないのです。
「大殿筋」は、地面を蹴り出す機能があり、力強く歩行する為に必要な筋肉です。
また、歩行や階段の昇降などをスムーズに行う為には、横方向に対してもバランスを取りながら、移動する必要があります。
横方向のバランスを取るために大切になってくる筋肉は、「中殿筋」です。
直立二足歩行を力強く行うためには、お尻の筋肉をバランス良く鍛える必要があるのです。
「スクワット」は、両足で地面を蹴りながら、しゃがんだり立ち上がったりする動作です。
「スクワット」は、お尻の筋肉の中でも「大殿筋」を鍛えることが出来ます。
「中殿筋」は、まったく鍛えられないことはないのですが、「スクワット」は、「大殿筋」に強い刺激が加わる種目です。
それでは、「中殿筋」を鍛えるためにはどのようなトレーニングをしたら良いのかといいますと、「スクワット」の類似種目である「ランジ」や「ブルガリアンスクワット」をおすすめします。
これらのトレーニングは、左右の足を前後にずらして行う為、動作の際に横方向のバランスをとりながら行う必要があります。
「ランジ」や「ブルガリアンスクワット」は、お尻の外側の筋肉に刺激が加わりやすくなります。
お尻全体の筋肉は、非常に大きい為、様々な角度からトレーニングすることが大切です。
今後の身体づくりの参考にしていただければ、幸いです。