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捻挫や打撲などの外傷の際の急性期の応急処置として、RICE処置が最適であるといわれていた時代がありました。
外傷の急性期は、ケガをした直後から48時間から72時間の間です。
急性期にRICE処置を行うことで、ケガをした際の腫れや内出血などのダメージを最小限に抑えることができます。
RICE処置の「RICE(ライス)」は、それぞれの頭文字をとった処置名です。
- Rest(休息)
- Icing(アイシング)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
RICE処置の流れとしましては、「ケガをしたら、急性期は患部を休ませて、内出血や腫れを最小限に抑える為にアイシングをします。包帯などで患部を適度な圧迫し、就寝の際は心臓の位置よりも高くして、寝てください」です。
「Icing(アイシング)」は、患部の血管を収縮させて、内出血や炎症の範囲を最小限に抑える効果があります。
また、患部を冷やすことは、痛みの閾値を低下させ、ケガした時の痛みを抑える効果もあります。
ケガの急性期では、湯舟などで患部を温めないことが望ましいです。
患部を温めてしまうと、血管が拡張し、内出血の範囲を広げてしまう可能性があります。
ケガの急性期では、湯船に入らず、シャワーで汗を流す程度にとどめていただくことをおすすめします。
後に、頭にP(Protection:保護)の文字が入り、「PRICE(プライス)」が最適だといわれていた時代もありました。
「Protection(保護)」は、ケガの状態に応じた最適な固定(ギプス固定など)を行い、患部を保護してくださいです。
PRICE処置の流れとしましては、「ケガをしたら、急性期は患部を休ませて、内出血や腫れを抑える為にアイシングを行います。必要に応じて患部保護を目的とした固定(ギプス固定など)、包帯などで適度な圧迫を加えます。そして、就寝の際は心臓の位置よりも患部を高くして、寝てください」です。
さらに、最近は「R:Rest(休息)」が「OL:Optimal Loading(適切な負荷)」にかわり、「POLICE(ポリス)」に最適であるといわれております。
POLICE処置の流れとしましては、「ケガをしたら、内出血や腫れを抑える為にアイシングを行います。必要に応じて患部保護を目的とした固定(ギプス固定など)、包帯などで適度な圧迫を加えます。 最近は、急性期でも完全に休ませるのではなく、専門家のもとで患部に最適な負荷を加えたほうが予後が良いことが分かってきております。そして、就寝の際は心臓の位置よりも患部を高くして、寝てください」です。
応急処置を行う際は、専門家のもとで行うことをおすすめいたします。
どの分野でもいえますが、正しいといわれることが時代によって変化していますね。
常にアンテナを張って、知識と技術のアップデートをしてまいります。
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