「慢性的な肩こり」で悩まされている方は、同時に「巻き肩」であることが多いです。
そして、「巻き肩」である方の多くは、胸が張れにくく、肩も動かしにくい傾向があります。
「巻き肩」は、左右の肩が前側に入った状態であり、スマホ操作やパソコン作業などの「反復的な前かがみ姿勢」が原因であるといわれています。
左右の肩が前側に入ることによって、「肩甲骨」はそれにつられるように外側に開いてしまいます。
「肩甲骨」が背骨から離れている状態です。
「肩甲骨」が外側に開いてしまうと、胸が張れにくい状態となり、肩も動かしにくくなってしまうのです。
また、「頭の位置」も重心線に対して、前側に移動してしまうケースも多くみられます。
「頭の位置」が前側に移動することによって、肩を動かす「肩甲骨まわりの筋肉」にも反復的な負荷が加わります。
「巻き肩」は、「肩甲骨まわりの筋肉」の痛みや硬さの原因となり、肩の動きにも影響がでてくるのです。
肩関節は、「上腕の骨」と「肩甲骨」で構成されております。
肩関節は、身体の中でも、「関節の可動域が最も広い関節」です。
関節の接地面は、他の関節と比べて、非常に浅くなっている為、以下のような複雑な動きが可能となっております。
- 前後の挙上動作(屈曲、伸展)
- 横に動かす動作(外転、内転)
- 捻る動作(内旋、外旋)
肩の動かしやすさは、「肩甲骨の位置」に大きく影響を及ぼしています。
試しに、「胸を張った状態」と「前かがみになった状態」の両方の姿勢で肩を動かしてみてください。
おそらく、「胸を張った状態」の方が、肩が動かしやすかったと思います。
「胸を張った状態」での「肩甲骨」の位置は、「肩甲骨を背骨に寄せている状態」です。
一方、「前かがみになった状態」での「肩甲骨」の位置は、「肩甲骨が背骨から離れている状態」です。
肩をスムーズに動かす為には、「肩甲骨」の位置が「肩甲骨を背骨に寄せている状態」であることが望ましいです。
「胸を張って、肩甲骨を背骨に寄せる姿勢の意識付け」が大切なのです。
気づいたときで大丈夫ですので、胸を張る姿勢の意識付けをされることをおすすめいたします。
肩関節を上に挙上する際に、「上腕の骨」と「肩甲骨」は、一定の割合で動きます。
それを「肩甲上腕リズム」といいます。
「肩甲上腕リズム」は、肩を挙上した際に、「上腕の骨」と「肩甲骨」が「2:1」の割合で動くといわれています。
「肩甲上腕リズム」からも分かるように、「肩関節の動作」と「肩甲骨の動かしやすさ」は、肩の動きに密接に関わっているのです。