筋力トレーニングの目的は、「健康増進」と「身体機能の向上」を実現することです。
筋力トレーニングは、「身体」だけでなく、「心」にも良い影響をもたらしてくれます。
身体が変われば、気持ちも前向きになり、心と身体の充実につながります。
「身体」と「心」は、お互いに影響し合う「心身相関」の関係にあるのです。
「力の強さ」は、「筋肉」の太さに比例します。
「筋力トレーニング」、「食事」、そして「休養」をバランス良く取り入れることで、「筋肉」は太くなります。
そして、「筋肉」が太くなると、身体が大きくなり、「力の強さ」が増大します。
しかし、「筋肉」を太くし、身体を大きくすることは、メリットばかりではありません。
身体を大きくすると、それに伴い、「関節」や「靭帯」などの組織へのストレスも、同時に大きくなってしまいます。
原則として、大人になったら、「関節」や「靭帯」などのサイズを変えることは出来ません。
また、ケガなどでこれらの組織に一旦ダメージを負ってしまうと、再生することは出来ません。
「関節」や「靭帯」などの組織は、人生を通じて一年でも長く残存させることが大切になってきます。
身体を大きくするということは、「関節」や「靭帯」などの組織へのストレスが大きくなることを考慮に入れる必要があります。
「筋肥大によって身体を大きくすること」と「関節や靭帯などの組織にかかるストレス」とのバランスを考えながら、トレーニングを行うことが大切なのです。
トレーニングを行う際は、「生まれ持った身体のサイズを崩さず、自分の身体を最大限に使いこなすための身体づくり」が理想的であると考えております。
もちろん、「筋肉」を太くし、身体を大きくすることを否定しているわけではありません。
筋力トレーニングで身体を大きくすることは、筋肉量を増加させる為には、非常に有効な方法です。
身体を大きくすることについて、十分に理解した上で、筋力トレーニングを上手に取り入れていくべきであると考えております。
個人的には、トレーニングを行う際、「自重トレーニング」を積極的に取り入れています。
「自重トレーニング」だと負荷が足りないのではないかというご意見があると思います。
しかし、やり方次第では「自重トレーニング」でも負荷を高めることが出来ます。
プッシュアップ(腕立て伏せ)には、さまざまなバリエーションがあります。
プッシュアップは、体力レベルに応じて、難易度を調整することが出来ます。
例えば、上半身の筋力に自信がない方であれば、両膝を床につけた状態で行うことで、負荷が調整出来ます。
また、体力に自信がある方であれば、「手幅を狭くしたナロープッシュアップ」、さらに「逆立ちプッシュアップ(逆立ちで行う腕立て伏せ)」にすることで、難易度を上げることが出来ます。
「逆立ちプッシュアップ」は、非常に難易度が高く、筋力、及びバランス能力共に高いレベルが要求されます。
自分の体重が負荷である為、ケガのリスクを最小限に抑えることが出来るのも、「自重トレーニング」のメリットです。
そして、「自分の身体を最大限に使いこなすための身体づくり」を行う方法として、逆立ちプッシュアップは非常に有効な種目です。
同様に、体幹トレーニングである「レッグレイズ」や「ブリッジ」、そして「スクワット」についても、体力に応じた難易度を設定することが可能です。
繰り返しになりますが、「自重トレーニング」でも、効果的な身体づくりが出来ると考えております。