肘内障は、未就学児に多く、手を引っ張られて受傷する場合がほとんどです。
受診時に付き添いに来られた方からは、「子供の肘が外れた」という表現がよく用いられます。
肘内障の主な症状は、患部に明らかな腫れがなく、痛みを訴え、腕を動かそうとしません。
徒手整復を行うと、すぐ泣き止み普通に腕を動かす事が出来ます。
徒手整復は比較的容易ですが、安易に行ってはいけません。
未就学児は、受傷機転を自分の言葉で上手に説明できない為、念のため他の外傷を疑う必要があります。
付き添いに来られた方からも受傷機転をよく聞く必要があります。
橈骨下端(手首あたり)の外傷、肘関節の外傷(捻挫や打撲、そして骨折など)、そして鎖骨の外傷などを想定しながら確認しなければいけません。
これらの疑いが除外できたと確信出来たら、専門家による徒手整復を行うべきです。
また、肘内障と肘関節の捻挫などの整復操作は異なります。
初診での見立てを誤ってしまうと、患者様にとって良くない方向になる恐れがあります。
肘内障の整復は、柔道整復師になって初期の段階で行う施術ですが、己を過信せず、冷静にかつ慎重に行うべきであると考えています。
他人事でなく自分への戒めとして、患者様に適切な施術を行ってまいります。
投稿日:2023年1月11日 | 最終更新日:2024年9月10日