スポーツ活動などでケガをした際に、応急処置として患部に湿布を貼ったり、コールドスプレーをあてたりした経験はあるかと思います。
ケガをした際に応急処置は、内出血や腫れを最小限に抑えることが目的です。
応急処置を行う際は、状況に応じた使い分けが大切です。
湿布薬について
湿布薬は、痛みや筋肉の緊張を緩和させる効果があります。
応急処置として、患部を冷やすことが目的であれば、湿布を貼るよりも氷水で物理的に冷やした方が良いです。
なぜなら、湿布は冷感を感じるものの、物理的な冷却効果はほとんどありません。
氷水の方が患部の冷却効果がある為、氷水でのアイシングをお勧めいたします。
また、湿布薬には血管拡張成分が含まれている場合があります。
急性期に血管拡張成分が含まれている湿布を貼り、患部の血管が拡張されると、内出血の範囲が広がる可能性があります。
急性期のアイシングの効果と反対のことをしてしまっているのです。
湿布を用いることが不適切と言っているわけではありません。
使用方法によっては、非常に優れた効果があります。
湿布を貼るタイミングは、急性期が過ぎた後に使用することをお勧めいたします。
患部の血行を促進し、解熱鎮痛効果を促すことで、湿布の効果が最大限に発揮できます。
コールドスプレーについて
プロ野球の試合中にデッドボールを受けた打者にトレーナーが近づいてきて、コールドスプレーを受ける場面を目にします。
おそらく試合を中断させない為に、必要最小限行うことができる処置として携帯性に優れているコールドスプレーを用いているのではないかと考えています。
コールドスプレーは痛みに対しての一時的な麻酔効果は多少あります。
しかし、患部の腫れや内出血は、残念ながら抑えることは出来ません。
現場のトレーナーも承知のことだと思うが、コールドスプレーを用いて、応急処置を行っているわけではありません。
コールドスプレーは表面的な部分までしか届かず、深部まで到達することはありません。
アイシングを行うのであれば、氷水等を用いて患部を数十分程度冷却することが必要です。
コールドスプレーを使用することが悪いと言っているわけではありません。
例えば、試合中にプレーが中断できず、瞬時に何かしらの処置が求められる場合は、コールドスプレーの使用は有効です。
一時的であっても痛みが和らぐのであれば、選手にとってはコールドスプレーはあったほうが良いと思います。
トレーナーも選手も、コールドスプレーの特性を理解した上で、使用しているのです。