転倒は、重大な外傷のリスクであり、場合によっては寝たきりにつながってしまう可能性もあります。
超高齢社会である我が国にとって、無視することの出来ない問題です。
医療関係や介護関係などに従事されている方にとって、転倒防止についての情報は大きな関心事であると考えております。
ここでは、転倒防止トレーニングについてお話しいたします。
繰り返しになりますが、高齢者にとって、転倒防止は必須です。
転倒のリスクを限りなくゼロの状態にすることで、快適な生活を送っていただくことが大切です。
高齢者が転倒する機転として、段差を乗り越えたつもりが、思ったよりも脚が上がっておらず、つま先が低い段差に引っかかってしまい、転倒してしまうケースが多いです。
一般的に高齢者の歩行スタイルは、前かがみでのすり足小刻み歩行です。
その歩行スタイルを分解して考えてみます。
- 歩行の際に、もも上げ動作が行われていません(股関節の屈曲が出来ていません)
- もも上げ動作を行ったとしても、つま先が下がったままです(足関節の背屈が出来ていません)
- 前かがみ姿勢である為、身体に力が入りにくい
3つの項目の機能を高める為のトレーニングを行うことが有効です。
もちろん、このような単関節トレーニングを行ったところで、すべてが解決できるわけではありませんが、改善の助けにはなると考えています。
1については、もも上げ動作に必要な「腸腰筋トレーニング」を行います。
腸腰筋トレーニングの方法として、イスに座った状態での「レッグレイズ」があります。
2については、つま先をかえす動作に必要な「足関節の背屈筋トレーニング」です。
足関節の背屈筋トレーニングの方法として、イスに座った状態での「トゥレイズ」があります。
3については、猫背などの前かがみ姿勢の改善に必要な「姿勢保持筋トレーニング」です。
姿勢保持筋トレーニングの方法として、「チューブロウイング」があります。
これらのトレーニングの他にも、日々の適切の姿勢の意識も大切であると考えています。
さらに、ノルディックポールを用いて、実際に歩いていただくこともおすすめします。
二本のノルディックポールを用いている為、支持基底面が広くなることで、歩行による転倒のリスクも軽減します。
ノルディックウォーキングを行うことで、膝関節や腰にかかる負荷が約30パーセント軽減できるといわれております。
初期費用がかかるデメリットはありますが、それ以外のデメリットは見当たりません。
もしよろしければ、ノルディックウォーキングの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。