オスグッド・シュラッター病(以下、オスグッド)は、成長期に過度な運動をするスポーツ選手に多く、膝のお皿(以下、膝蓋骨)の直下にある隆起部(以下、脛骨粗面)に痛みを訴える整形学的疾患です。
特に、ダッシュやジャンプ動作を頻繁に行うスポーツ選手に多くみられます。
脛骨粗面は、太ももの前面にある大腿四頭筋が膝蓋骨を通過して膝蓋腱に付着する部位です。
激しいスポーツ動作によって、大腿四頭筋の過緊張を引き起こし、脛骨粗面への牽引力が引き金となってオスグッドが発症するといわれています。
オスグッドの患者様の多くは、大腿四頭筋が硬くなっている傾向があります。
オスグッドの受傷機転について
成長期において、骨と筋は長軸方向に成長します。
両者の成長時期は異なり、先に骨が長軸方向に成長し、骨の成長に遅れて筋が成長します。
先行して骨が成長した時期では、筋の成長が追い付かず、筋への牽引ストレスが大きくなります。
この時期に運動量が増すと、筋へのストレスがより一層大きくなります。
筋は腱となり骨に付着します。
一般的に、腱と骨の付着部は力学的に弱く、痛みや炎症が出現しやすい部位です。
成長期のスポーツ選手が、ダッシュやジャンプ動作を伴う運動が多くなると、大腿四頭筋に反復的な強い負荷が加わります。
大腿四頭筋の強い負荷は、脛骨粗面への強い牽引力となります。
その状態で過度な運動を継続し続けると、脛骨粗面に痛みや炎症が発生し、場合によっては隆起があらわれる場合があります。
それらが、オスグッドを発症する原因であるといわれています。
オスグッドと骨格アライメントについて
骨格アライメントの不整もオスグッドの発症に関係があると考えています。
骨格アライメントの不整は、大腿四頭筋の柔軟性の低下にもつながります。
骨格アライメントの不整は、骨盤の歪みを伴います。
骨盤の歪みとは、骨盤の傾斜角度がニュートラルな状態から逸脱している状態であると解釈しております。
骨盤の歪みは、骨盤に付着している腰や股関節、そして太ももの筋に負荷が加わっている状態です。
大腿四頭筋は、膝を伸ばす動作や腿上げの動作に関わってきます。
骨盤の歪みは、大腿四頭筋に不要なストレスが加わっている状態であるといえます。
骨格アライメントの不整は、オスグッドの発症に関係があるのです。
一般的にオスグッドは、患部を休ませ、スポーツ活動を休止することが必要です。
また、患部への施術だけでなく、身体全体の骨格バランスを整えることも大切であると考えています。
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