治療家のお話

イスに座ったときにお尻の付け根(坐骨結節)が痛くなる症状として、「坐骨結節部痛」があります。

坐骨結節は、イスに座った際に、お尻の部分でゴツゴツ触れる場所です。

そして、坐骨結節には、もも裏の筋肉である「ハムストリングス」が付着しています。

何かしらの原因で、ハムストリングスが緊張が緊張すると、坐骨結節部痛につながる可能性が出てくるのです。

ハムストリングスは、股関節を後ろに伸ばしたり(股関節の伸展)、膝関節を曲げたりする(膝関節の屈曲)作用があります。

長時間の歩行や階段の昇降、そしてスクワット動作などが原因で、ハムストリングスに負荷が加わりやすくなります。

また、中腰姿勢で荷物を持ち上げるなどの日常動作でも、ハムストリングスへの負荷が強くなります。

一般的に、筋肉は、腱となり、骨に付着します。

そして、腱が骨と付着する場所は、力学的な負荷が加わりやすくなります。

オーバーユースなどが原因で、筋肉に過度な負荷が加わると、腱と骨との付着部位で痛みや炎症が出現しやすくなります。

つまり、ハムストリングスへの反復的な負荷は、坐骨結節部に痛みや炎症を引き起こし、坐骨結節部痛につながる可能性が出てくるのです。

坐骨結節部痛は、イスに座った際に、お尻の付け根(坐骨結節部)に痛みを訴えます。

また、坐骨結節部痛は、イスへの座位だけでなく、長時間の歩行や階段の昇降などによっても、坐骨結節部に痛みを訴えるケースもあります。

長時間の歩行や階段の昇降は、ハムストリングスの収縮を伴う為、坐骨結節部に負荷が加わります。

長時間の歩行や階段の昇降によっても、坐骨結節部に更なる痛みを誘発する可能性が出てくるのです。

坐骨結節部痛の治療を行う際は、坐骨結節部の痛みや炎症を取り除き、そしてハムストリングスの硬さを軽減することが大切です。

坐骨結節部は、お尻の深層にあります。

そして、坐骨結節部の痛みや炎症を軽減する為には、深層部に直接治療する方が効果的であると考えております。

また、ハムストリングスの硬さについても、坐骨結節部と同様に、筋肉内に直接アプローチする方が良い効果が得られると考えております。

それらの目的を満たす治療法として、鍼治療は、適していると考えております。

なぜなら、鍼は、体内に刺入する治療法である為、目的の場所に直接アプローチすることが出来るからです。

坐骨結節部痛は、鍼の適用であると考えております。

長時間の座位などでお尻の付け根(坐骨結節)の痛みでお悩みの方、鍼治療を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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