治療家のお話

寝違えは、正式には、急性疼痛性頚部拘縮と呼ばれております。

寝違えは、起床時に急に首が回らなくなり、首まわりの筋肉が緊張し、激しい痛みを伴います。

不安定な姿勢での就寝の際に、首まわりの筋肉に持続的なストレスが加わったことによって引き起こされるといわれています。

首まわりの整形外科的な疾患である「頚椎椎間板ヘルニア」や「頚椎捻挫(むちうち症)」などの診断を受けていなければ、長くても1週間程の安静で、辛い症状は落ち着いてきます。

しかし、寝違えによる症状は、首まわりの激しい痛みや日常生活に支障が出るほどの運動制限を伴う為、積極的な治療を行い、一日でも早く快方に向かいたいものです。

寝違えになると、首や首すじ、そして背中の筋肉に強い緊張がみられます。

筋肉内には、侵害受容器と呼ばれる痛みを感じるセンサーがあります。

筋肉の強い緊張状態は、侵害受容器を刺激し、筋肉の痛みを引き起こします。

筋肉の痛みは、更なる筋肉の緊張を引き起こし、痛みのスパイラルにつながる可能性が出てくるのです。

寝違えの治療を行う際は、首や首すじ、そして背中の筋肉の緊張の軽減を優先すべきであると考えております。

寝違えに伴う筋肉の緊張を和らげる方法として、鍼治療が有効です。

鍼は、首まわりの筋肉の緊張を和らげ、血行を促進する効果があります。

首まわりの筋肉の血行が良くすることは、筋肉の鎮痛効果や疲労回復効果が期待出来ます。

また、首まわりの筋肉は、小さい筋肉が多く存在しており、それらの筋肉に直接アプローチする為には、細い鍼が向いているのです。

さらに、寝違えの治療穴として、「落枕穴らくちんけつ」と呼ばれるツボがあります。

落枕穴らくちんけつ」は、手の甲にあるツボであり、「人差し指」と「中指」の間の中手指節関節の高さにあります。

その付近を押した際に、ズシッと重い感覚が得られた場所が「落枕穴らくちんけつ」です。

もちろん、「落枕穴らくちんけつ」が寝違えに対して、100パーセント効果がある訳ではありません。

簡易的な判断基準としては、落枕穴らくちんけつ」を押しながら、首を動かした際に、少しでも動きが楽になったと感じた場合、一定の治療効果が期待出来ます。

落枕穴らくちんけつ」への刺鍼は、少し痛みを伴いますが、寝違えの治療穴としては、非常に優秀であると考えております。

なお、「落枕穴らくちんけつ」の治療効果には、科学的根拠がありません。

落枕穴らくちんけつ」は、長い歴史の中で経験的に発見されたツボであるといわれております。

しかし、現在に至るまで治療穴として存在していることが、最大の根拠であると考えております。

そのように、寝違えは、鍼の適用症であり、効果的な治療法なのです。

寝違えによる辛い症状でお悩みの方、鍼治療を取り入れてみてはいかがでしょうか。

出張鍼灸施術を承っておりますので、ぜひご相談くださいませ。

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投稿日:2024年11月30日 | 最終更新日:2024年12月9日