治療家のお話

ぎっくり背中は、中腰で重い荷物を持ち上げたりするなどが原因で、背中に突然強い痛みが出現します。

似たような名前に、ぎっくり腰がありますが、ぎっくり背中は、背中の筋・筋膜に炎症が起きている状態です。

ぎっくり背中は、正式には、筋筋膜性疼痛症候群と呼ばれております。

画像診断などで、「胸椎圧迫骨折」などの診断を受けていないケースであれば、長くても2週間程の安静で症状が落ち着きます。

しかし、ぎっくり背中になると、寝返りや歩行動作が困難になるなど、日常生活に大きな支障をきたします。

積極的に治療を行い、一日でも早く、そのような辛い状態から、脱していきたいものです。

ぎっくり背中は、鍼の適応症であり、即効性があります。

ぎっくり背中は、背中の筋肉が強く緊張しており、激しい痛みを引き起こします。

ぎっくり背中による症状を軽減させる為には、背中の筋肉の緊張を和らげることが最優先であると考えています。

なぜなら、筋肉の緊張を和らげないと、痛みの軽減につながらないからです。

背中の筋肉の緊張は、筋肉内で「侵害受容器」と呼ばれる痛みを感じるセンサーを刺激します。

「侵害受容器」への刺激によって、更なる背中の痛みを誘発し、その痛みが新たな筋肉の緊張を引き起こします。

背中の筋肉の痛みのスパイラルにつながるのです。

つまり、背中の筋肉の痛みのスパイラルを取り除くことが、ぎっくり背中の治療を行う上で、大切になってくるのです。

鍼治療は、筋肉の緊張を和らげ、そして筋肉の血流量を高める効果があります。

筋肉の血流量が高くなると、筋肉の緊張によって滞っていた発痛物質や老廃物を洗い流します。

背中の筋肉への鍼治療によって、鎮痛効果や疲労回復効果をもたらしてくれるのです。

また、ぎっくり背中になりやすい方の多くは、日常的に猫背などの前かがみ姿勢である傾向があります。

前かがみ姿勢は、背中が丸くなりやすくなります。

背中の筋肉に常にストレスがかかる状態である為、「ぎっくり背中」になる可能性が高くなるのです。

ぎっくり背中のリスクを最小限にする為には、良い姿勢を定着することが大切であると考えております。

良い姿勢のポイントは、「腰を反り過ぎず、胸を張り、肩甲骨を背骨に寄せること」です。

良い姿勢の定着の為には、胸が張れやすくなる状態にすることが大切です。

身体全体の骨格バランスを調整することは、良い姿勢の定着の助けになると考えております。

具体的には、身体の土台である骨盤の歪みを調整し、頭部と背骨全体の骨の位置関係を整えることです。

ぎっくり背中の治療法として、「背中の筋肉の痛みや緊張を和らげる鍼治療」と「胸が張れやすい骨格に調整すること」が大切であると考えております。

背中の筋肉の痛みでお悩みの方、「鍼治療」と「骨格調整を行う施術」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

出張鍼灸施術を承っておりますので、ぜひご相談くださいませ。

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投稿日:2024年11月23日 | 最終更新日:2024年12月9日