治療家のお話

慢性的な肩こりは、首や背中の筋肉が硬くなり、身体の痛みを引き起こすことが多いです。

また、猫背などの前かがみ姿勢になり易く、ゆっくりとした深い呼吸がしにくくなる傾向があります。

慢性的な身体の痛みや浅い呼吸によって、交感神経が優位となり、自律神経のアンバランスにつながる可能性が出てくるのです。

自律神経は、交感神経と副交感神経に分類されております。

交感神経は、興奮モードの時に優位になり、アクセルの役割を果たしています。

副交感神経は、リラックスモードの時に優位になり、ブレーキの役割を果たしています。

身体のアクセル役とブレーキ役がバランス良く働くことで、健康を保つことが出来ているのです。

しかし、何かとストレスのかかることが多い現代社会においては、交感神経が優位になり易い環境になっております。

例えば、長時間のパソコン操作やスマートフォン操作は、猫背などの前かがみ姿勢になることが多く、首や背中などの筋肉に反復的なストレスが加わります。

また、猫背などの前かがみ姿勢によって、首や背中などの筋肉に痛みを引き起こし、場合によっては、頭痛の原因にもなります。

さらに、胸が張れにくい為、肺に酸素を十分に取り込めず、早くて浅い呼吸である「胸式呼吸」になり易くなります。

「胸式呼吸」は、交感神経が優位になりやすいといわれています。

反復的な前かがみ姿勢は、身体のこわばりや痛み、そして「胸式呼吸」が続くことによって、交感神経が優位に働きやすくなるのです。

自律神経のバランスを整え、身体のこわばりや痛みなどの不調を軽減させる為には、副交感神経を優位にすることが大切になってきます。

自律神経のバランスを整える方法として、鍼治療をおすすめします。

鍼は、身体の痛みを和らげるだけでなく、血行を促進する効果もあります。

皮膚や筋肉に鍼刺激を加えると、脳内で「β-エンドルフィン」や「エンケファリン」などが分泌されます。

「β-エンドルフィン」や「エンケファリン」は、鎮痛作用のある脳内物質です。

それらの脳内物質は、自らの体内で分泌される為、依存性や副作用がなく、鎮痛作用を発現してくれるのです。

また、鍼刺激によって、刺激部位付近での血行促進効果があります。

血行が促進されると、発痛物質や老廃物を洗い流し、疲労回復の効果も期待出来ます。

さらに、心地良い鍼刺激は、快楽物質であるドーパミンが分泌され、また脳波や心拍数を下げる心身のリラックス効果をもたらしてくれます。

鍼治療は、身体の痛みの軽減する効果だけでなく、自律神経の乱れを整えることも出来るのです。

慢性的な肩こりなどが原因で、心身の不調でお悩みの方、鍼治療を取り入れてみてはいかがでしょうか。

出張鍼灸施術を承っておりますので、ぜひご相談くださいませ。

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投稿日:2024年10月16日 | 最終更新日:2024年12月9日