呼吸には、さまざまな呼吸法がありますが、代表的な方法として、「腹式呼吸」と「胸式呼吸」があります。
呼吸は、主に「横隔膜」と肋骨の間にある「外肋間筋」の働きによって行われています。
また、腹筋や背筋、そして首の筋肉も「呼吸補助筋」として、呼吸動作に関わっています。
それらの呼吸に関わる筋肉が、収縮や弛緩することによって、呼吸動作が円滑に行われているのです。
1回の呼吸で、より多くの酸素を取り込み、そして二酸化炭素をより多く吐き出す為には、ゆっくりとした深い呼吸を行うことが大切です。
ゆっくりと深い呼吸をする方法として、「横隔膜」の働きを意識する「腹式呼吸」をおすすめします。
「腹式呼吸」は、副交感神経を優位する効果があります。
そして、心拍数や血圧、そして脳波が下がることによる心身のリラックス効果をもたらしてくれます。
さらに、「腹式呼吸」は、脳内物質である「セロトニン」の分泌を高める効果もあります。
「セロトニン」は、精神の安定や鎮痛効果に関わっている脳内物質です。
「腹式呼吸」による「セロトニン」の働きによって、精神面のリラックス効果を高めてくれるのです。
一方、「胸式呼吸」は、「横隔膜」の働きよりも「外肋間筋」の関与が大きくなります。
「胸式呼吸」は、「横隔膜」の関与が少なくなる為、「腹式呼吸」に比べて、体内外の換気量が少なくなり、早くて浅い呼吸につながりやすくなります。
また、「胸式呼吸」は、交感神経が優位になり易くなるともいわれております。
つまり、「腹式呼吸」では、副交感神経が優位になり、「胸式呼吸」では、交感神経が優位になりやすくなるのです。
一般的に、自律神経は、自分の意思でコントロールすることが出来ません。
しかし、例外として、呼吸は、副交感神経と交感神経のバランスをコントロールすることが出来ます。
少し話が変わりますが、1回の呼吸での「呼気」や「吸気」のタイミングによっても、心拍数の変化がみられます。
息を吐く際は、心拍数が低くなり、息を吸う時は、心拍数が高くなります。
つまり、「呼気」の際は、副交感神経が優位となり、「吸気」の際は、交感神経が優位になるのです。
武道やヨガなどさまざまな分野において、呼吸法が重視されているのも納得出来ます。
何かとストレスがかかりやすい現代である為、多くの方は、交感神経が優位になりやすい傾向があります。
交感神経が優位な状態が続くと、全身の筋肉が強張り、場合によっては、慢性的な肩こりをつながる可能性も出てきます。
交感神経が優位になりやすい現代人にとって、副交感神経を優位にする「腹式呼吸」は、非常な大切な呼吸法であると考えています。
呼吸は、気軽に取り入れることが出来る健康法です。
心身のリラックス効果を高める方法として、「腹式呼吸」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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