治療家のお話

呼吸が浅くなるなどの身体の不調で、医療機関を受診し、検査結果に異常が見つからなかった場合、姿勢による「背中の筋肉の硬さ」が原因かもしれません。

呼吸の深さと姿勢は、密接に関わっています。

例えば、反復的なパソコン作業やスマートフォン操作は、猫背などの前かがみ姿勢になることが多く、呼吸の浅さにつながる可能性があります。

呼吸をする際、息を吸って酸素を体内に取り込み、息を吐いて二酸化炭素を体外に排出します。

一度の呼吸で、体内に酸素をより多く取り込み、二酸化炭素を体外に排出する為には、胸を張る姿勢でいることが大切です。

猫背などが原因で、背中が丸くなってしまうと、胸郭が狭くなることで、物理的に呼吸量が減ってしまいます。

また、猫背姿勢では、呼吸動作に関わる体幹の筋肉も硬くなってしまう為、呼吸がしにくくなります。

呼吸をする際は、横隔膜や肋間筋の働きだけでなく、呼吸補助筋である背中を含めた体幹の筋肉も、呼吸動作に関わっています。

呼吸補助筋を含めると、体幹にある多くの筋肉が、呼吸の動作に関わっているのです。

背中を含めた体幹の筋肉は、肩甲骨を背骨に寄せ、胸を張った状態の時に、筋肉としての機能が高まります。

つまり、胸が張れていないと、呼吸に関わる筋肉の働きが制限されることによって、呼吸の量の減少につながってしまうのです。

また、背中が丸くなった状態によって引き起こされる「筋肉が硬さ」や「身体の痛み」は、自律神経のアンバランスにつながる可能性が出てきます。

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。

交感神経は、心身ともに「興奮モード」の時に優位になります。

一方、副交感神経は、心身ともに「リラックスモード」の時に優位になります。

交感神経と副交感神経がバランス良く働くことで、健康を保つことが出来ているのです。

筋肉が硬くなり、慢性的な痛みが出現する状態になると、交感神経が優位になる傾向があります。

交感神経優位の状態が続くと、筋肉が緊張状態になり、血管が収縮することで、血行が滞りやすくなります。

そして、老廃物や発痛物質が滞りやすくなり、新たな痛みを引き起こす痛みのスパイラルを引き起こす可能性が出てきます。

その痛みのスパイラルを取り除く為には、筋肉のコンディション、自律神経のバランス、そして胸が張れやすい骨格にすることが必要です。

そのような身体の状態を改善する方法の一つとして、鍼治療をおすすめします。

鍼は、筋肉のコンディションを良くする効果があります。

鍼を目的の筋肉に刺鍼すると、硬くなった筋肉が和らぎ、そして筋肉の痛みを軽減することが出来ます。

また、血行が良くなり、滞っていた老廃物や発痛物質を洗い流し、疲労回復や鎮痛効果がより高まります。

さらに、鍼には、「体性-内臓反射」による自律神経を整える効果も報告されております。

身体全体の骨格を整え、胸が張れやすい状態にすることで、姿勢による「呼吸の浅さ」の改善につながると考えております。

出張鍼灸施術を承っておりますので、ぜひご相談くださいませ。

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投稿日:2024年9月7日 | 最終更新日:2024年9月30日