鍼の効果の一つとして、血行を促進させる作用があります。
そして、皮膚循環が促進され、新陳代謝が高まります。
美容鍼灸は、そのような効果を目的として、行われております。
また、鍼による皮膚循環の促進だけでなく、筋肉に鍼刺激を行うことで、筋肉の血流量も増加するともいわれています。
筋肉の血流量が増加すると、滞っている発痛物質や老廃物を洗い流すことにもつながり、鎮痛効果や疲労回復も齎してくれるのです。
鍼による皮膚循環や筋肉の血流量を促進させる機序として、軸索反射による血行の促進作用があります。
今回は、軸索反射による血行促進作用について、お伝えします。
皮膚に鍼刺激を加えると、皮膚に分布する感覚のセンサーである侵害受容器が反応した後に、2つのルートに刺激が伝わっていきます。
1つめは、皮膚への鍼刺激によって、脊髄を介して脳に伝わるルートです。
刺激が脊髄を介して脳に伝わった後に、脳内で痛みを和らげる物質(β-エンドルフィンやエンケファリンなど)が分泌されます。
それらの物質が、身体に備わっている鎮痛機能が働かせることで、鎮痛効果を齎してくれるのです。
2つめは、皮膚の侵害受容器で反応した鍼刺激は、脊髄や脳に行かず、刺激部位で血管を拡張させる物質(CGRPや一酸化窒素など)を分泌させ、血管を拡張させるルートです。
血管が拡張されることによって、刺激部位付近で血行が促進されます。
また、鍼を刺入した部位の皮膚が赤くなる反応がみられます。
その反応をフレア(紅潮斑)といいます。
フレア(紅潮斑)は、皮膚に鍼刺激を与えることによって、その刺激部位に血管を拡張する物質(CGRPや一酸化窒素など)が分泌されます。
血管を拡張する物質(一酸化窒素)が血管平滑筋に作用し、血管平滑筋が弛緩することで、血管が拡張されます。
血管平滑筋の弛緩によって、皮膚の血行が促進されると、個人差はありますが、皮膚が一時的に赤くなるフレア(紅潮斑)が起こるのです。
鍼によるそれらの一連の反応が、軸索反射による血行促進の機序です。
余談にはなりますが、自律神経の交感神経が優位になった時は、血管平滑筋が収縮することで、血管が収縮されます。
両者のバランスによって、血管の収縮や拡張が行われています。
また、軸索反射は、皮膚だけでなく、筋肉でも起こります。
鍼刺激によって、筋肉の血流量が増え、血行が促進されると、発痛物質や老廃物を流しだし、鎮痛効果や疲労軽減効果を齎してくれます。
また、皮膚や筋肉の血流量の増加は、鍼の刺激量に比例するともいわれています。
鍼による高い血行促進効果を得る為には、刺激過多にならない範囲で、刺激量を増やすのも良いのではないかと考えています。
出張鍼灸施術を承っておりますので、ぜひご相談くださいませ。
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