パソコン作業やスマホ操作などによる前かがみの姿勢は、首や背中などにストレスが加わり、それらの筋肉に硬さや痛みを引き起こす可能性があります。
また、前かがみ姿勢によって、頭の位置が重心線に対して前側にスライドし、胸が張れにくくなります。
胸が張れにくい方の多くは、巻き肩である傾向があります。
巻き肩とは、肩が内側に入る状態であり、同時に肩甲骨が外側に開いてしまいます。
巻き肩が原因で、首や背中などの筋肉に硬さや痛みにつながる可能性があるのです。
一般的に、筋肉が硬くなると、血行が滞ることによる循環障害を引き起こし、発痛物質が産生されやすくなります。
その発痛物質の産生によって、痛みのセンサーである侵害受容器を刺激し、更なる痛みを引き起こします。
痛みによって、交感神経が優位になると、筋肉が緊張し、そして筋肉が硬くなってしまいます。
痛みの循環を引き起こしてしまう可能性があるのです。
痛みの循環を断つためには、背中の筋肉が働きやすい身体の環境にすることが大切です。
その為には、胸を張り、肩甲骨の動きを良くすることです。
ヒトの背骨は、上から順に頚椎(首の背骨)、胸椎(胸の背骨)、腰椎(腰の背骨)、仙椎(仙骨)で構成されています。
- 頚椎は、前凸のカーブ(前弯)です
- 胸椎は、後凸のカーブ(後弯)です
- 腰椎は、前凸のカーブ(前弯)です
- 仙椎は、後凸のカーブ(後弯)です
そのように、ヒトの背骨は、真っ直ぐではなく、上から交互にS字状のカーブ(前弯→後弯→前弯→後弯)である生理的な弯曲を描いております。
背骨の生理的な弯曲は、ヒト特有の身体の構造です。
背骨のS字状の弯曲があるおかげで、身体への衝撃を軽減したり、身体全体のバランスをとることが出来ているのです。
また、重心線は、背骨の「前弯から後弯」、及び「後弯から前弯」へと弯曲が変わるポイントを通過していることが理想的です。
「重心線」が「背骨の弯曲が変わるポイント」を通過することで、身体にかかる負荷を最小限にすることが出来ます。
一方、巻き肩による前かがみ姿勢は、「重心線」と「背骨の弯曲が変わるポイント」がずれてしまいます。
身体への負荷が大きくなってしまい、首や背中へのストレスが大きくなってしまうのです。
「重心線」が「背骨の弯曲が変わるポイント」に乗る為には、胸を張り、肩甲骨を背骨に寄せる必要があります。
胸を張り、肩甲骨を背骨に寄せる意識付けを行うことが大切であると考えております。
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