登山では、上り坂よりも下り坂の方が筋肉への負荷が強くなる為、下りの方が筋肉痛になることが多いです。
筋肉には、さまざまな種類の活動があり、その中でもエクセントリック筋活動(遠心性収縮)を伴う筋肉の活動が、筋肉への負荷が大きくなるといわれています。
下り坂は、主にエキセントリック筋活動(遠心性収縮)が主に行われている為、筋肉痛が起こりやすいのです。
一般的に、筋肉(骨格筋)は関節をまたいで、腱となり、腱が骨に付着します。
筋肉が活動する際は、骨に付着した2つの腱が移動することで、関節運動が行われます。
骨に付着した部位を、それぞれ起始と停止といいます。
また、筋肉が活動する際は、筋肉の長さも変化します。
筋肉が活動した際に、筋肉の長さの変化に応じた3つの種類に分類されます。
- コンセントリック筋活動(求心性収縮)
筋肉が活動した際に、筋肉の長さが短くなります。
コンセントリック筋活動では、起始と停止が近づきます。
例えば、荷物を持ちながら、肘を曲げる動作です。
- アイソメトリック筋活動(等尺性収縮)
筋肉が活動した際に、筋肉の長さが変化しないことを、アイソメトリック筋活動といいます。
例えば、荷物を持ち上げた後に、静止している状態です。
- エキセントリック筋活動(遠心性収縮)
筋肉が活動した際に、筋肉の長さが長くなります。
エキセントリック筋活動では、起始と停止が遠くなります。
例えば、ゆっくりと荷物を下ろす際に、ブレーキをかけながら、肘を伸ばす動作です。
3種類の筋肉の活動の中でも、エキセントリック筋活動の局面が、最も筋肉へのダメージが大きくなります。
それらの筋活動の特性を利用して、筋力トレーニングにも応用することが出来ます。
スクワットは、立った状態から膝を曲げてしゃがみ込み、しゃがみきった状態から立ち上がる動作です。
主に太もも前面の大腿四頭筋とお尻の大殿筋を鍛えることが出来ます。
- スクワットのエクセントリック筋活動は、立った状態から一番低いところ(ボトムポジション)までしゃがみ込む動作です。
- スクワットのアイソメトリック筋活動は、深くまでしゃがんだ状態(ボトムポジション)です。
- スクワットのエクセントリック筋活動は、しゃがみきった状態(ボトムポジション)から立ち上がるまでの動作です。
誤解を恐れずにいうと、筋力トレーニングは、どれだけ筋肉にダメージを与えられたかどうかで、トレーニングの効果に差がでてきます。
スクワットで筋肉により強い刺激を与える為に、エキセントリック筋活動を強調する方法があります。
具体的にいうと、立った状態からボトムポジションまでのしゃがむ動作をゆっくり行う方法です。
そうすることで、目的の筋肉に強い負荷を与えることができます。
ただし、やりすぎてしまうとケガの原因にもなる可能背があるので、専門家のもとで行うことをおすすめします。
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