肘付近の前腕に痛みのある方、長時間のキーボード操作が原因かもしれません。
前腕に痛みがあらわれる症状の一つとして、上腕骨外側上顆炎があります。
上腕骨外側上顆炎は、テニス肘ともいわれております。
手首を返す(手関節伸展)動きが反復的に行われることによって、肘付近の前腕にストレスが加わり、痛みや炎症があらわれる整形学的疾患です。
前腕にある手首を返す筋肉の多くは、肘関節付近(上腕骨外側上顆)に集中して付着します。
一般的に、筋肉は腱となって骨に付着し、腱と骨との付着部分(筋腱付着部)には、力学的に負荷がかかり易くなる傾向があります。
例えば、「延長コード」や「USBケーブル」を想像していただけると分かり易いです。
長期間、「延長コード」や「USBケーブル」を使い続けていると、多くの場合、コードの根元の部分が切れやすくなります。
コードの根元の部分は、力学的に負荷がかかり易くなるのです。
腱と骨の付着部(筋腱付着部)は、負荷がかかり易く、痛みや炎症があらわれやすい場所になります。
肘付近にある上腕骨外側上顆は、複数の筋肉が集まって付着する場所です。
手首を反復的に返す動作は、上腕骨外側上顆に強い負荷が加わります。
キーボードを操作するときは、キーボードの手前に手首を置き、手首を返しながらタイプ打ちをします。
短い時間であれば、上腕骨外側上顆への負荷は少ないのですが、長時間になると、上腕骨外側上顆へのストレスが大きくなります。
上腕骨外側上顆炎の主な原因は、手首を返す反復的な動作が主な原因なのです。
治療法としましては、手首の動きを制限し、手首を返す筋肉を休ませて安静を図ることが大切です。
しかし、手首を休ませて完全に安静を図ることは、現実的ではありません。
無理の無い範囲で、手首を動きを制限するサポーターをしていただくことをおすすめします。
もし、サポーターが無いようでしたら、手首にテーピングを巻き付けるだけでも、簡易的な方法としては効果的です。
テーピングを巻く強度としましては、テープを引っ張りすぎず、皮膚に沿わせるようにやさしく巻きます。
引っ張りすぎてしまうと、うっ血してしまい逆効果になってしまいますので、専門家にアドバイスをいただきながら、テーピングを行うことをおすすめいたします。
上腕骨外側上顆炎は、鍼治療が非常に有効な方法です。
鍼は、目的の筋肉に直接刺入する為、痛みや炎症の軽減に非常に効果的であると考えています。
肘付近の前腕に痛みでお悩みの方、鍼治療も選択肢の一つとして、検討していただければ幸いです。