ヒトは、地球上の生物で唯一の二足歩行動物です。
二足歩行を獲得したことで、両手を使えるようになりました。
同時に、脳が発達したことで「高度な知性」を得ることが出来ました。
「高度な知性」は、ヒトのアイデンティティともいえます。
ヒトの身体の大きな特徴は、他の四足動物に比べて、お尻の筋肉が非常に発達しているところです。
二本の足で自分の体重を支え続ける為には、進化の過程で、お尻の筋肉が発達する必要があったのではないかと考えられます。
お尻の筋肉である「殿筋群」は、主に股関節を動かす筋肉です。
二本の足で歩行したり、段差を乗り越えたり、そして片足でバランスを取ったりなどの動作は、お尻の筋肉が発達していないと実現できない動作です。
四足動物が二本の足でこれら動きを行おうとしても、まず出来ません。
地球上の生物でこれらの動きが出来るのは、ヒトのみです。
お尻の筋肉が発達しているからこそ可能な動きなのです。
股関節は、肩関節に次いで、関節の可動域が大きい関節です。
足を地面に接地しながら、股関節を器用に動かすことが出来るのは、お尻の筋肉の作用のおかげです。
しかし、二足歩行を持続する為には、どうしてもお尻の筋肉に持続的な負荷がかかります。
二足歩行であるヒトは、お尻の筋肉が硬くなりやすい身体の構造なのです。
また、腰への負荷が非常に大きくなり、慢性的な腰痛で悩まされているか方も多くいらっしゃいます。
お尻だけでなく、腰の筋肉にも相当な負荷がかかっているのではないかと考えられます。
四足動物の中で、慢性的な腰痛を抱えている動物はほとんどいないと思います。
例えば、ミニチュアダックスフンドは、胴体が長い為、腰痛になり易いといわれていますが、ヒトほどではないと考えています。
なぜなら、四本の足で身体を支えることが出来ているからです。
二足歩行を獲得したヒトは、今更四足歩行に戻るわけにはいけません。
「高度な知性」を獲得した代わりに、腰や股関節の痛みと上手に付き合う必要があると考えております。
腰やお尻に痛みのある方の中には、坐骨神経痛の症状があらわれる患者様もいらっしゃいます。
坐骨神経は、腰の背骨(腰椎)と仙骨(仙椎)から出て、お尻の筋肉の奥深くを走行する末梢神経です。
坐骨神経痛の症状は、腰と股関節の状態に大きく影響を受ける可能性があります。
もし、ぶつけたり捻ったりした外傷の記憶がなく、お尻の痛みがある場合は、腰との関連を疑ってみてもよいかもしれません。
出張鍼灸施術を承っておりますので、ぜひご相談くださいませ。