「就寝時は、ベッドか布団のどちらが良いか?」についてお話しします。
「布団」と「ベッド」のどちらの方が寝心地が良いのかというお話ではありません。
「布団」や「ベッド」には、それぞれの良さがあるので、住環境や好みに合わせて、選んでいただければと考えております。
今回のコラムでは、年配の方が起居動作を行う際に、どちらの方が身体への負荷が少なく済むのかについて、お話してまいります。
結論からいうと、「布団」から起き上がるよりも、「ベッド」から起き上がった方が、身体への負担が少なく済みます。
なぜなら、「ベッド」から起き上がった方が、重心の移動距離が短いからです。
さて、ヒトが立位の時の「重心の高さ」は、地面から約1メートルくらいの「へそ下あたり」の位置です。
そして、寝た状態での「重心の高さ」は、ほぼ地面の高さです。
起居動作ときの「エネルギーの消費量」は、重心が移動した距離で考えることが出来ます。
寝た状態から起き上がる際の「エネルギーの消費量」は、「寝た状態での重心の位置」から「立位の時の重心の位置」の移動量です。
つまり、「寝ている状態」から「立ち上がった状態」に体位変換した際に、重心が移動した距離が、「エネルギー消費量」になるのです。
それを踏まえて、「ベッドから立ち上がった際のエネルギー消費量」と「布団から立ち上がった際のエネルギー消費量」について比較していきます。
一つ目の「ベッドから立ち上がる際のエネルギー消費量」について、「ベッド」は「布団」に比べて、寝ているときの「重心の位置」が高くなります。
つまり、「ベッドの高さ」の分だけ「重心の位置」が高くなるのです。
「ベッドの高さ」から「立ち上がったときの重心の高さ」への移動距離が、「エネルギー消費量」になります。
二つ目の「布団から立ち上がる際のエネルギーの消費量」について、寝ているときの重心の位置は、「ほぼ床の位置」です。
エネルギーの消費量は、「床の位置」から「立ち上がったときの重心の位置」への移動距離になる為、「ベッド」に比べると、「布団」の方がエネルギー消費量が大きくなります。
身体に痛みによって辛さを感じるときは、なるべく「エネルギー消費量」は抑えたいものです。
「ベッド」の方が身体への負荷が少なくなります。
実際に、「ベッド」の方が立ち上がるのが楽であるというご意見も多くいただきます。
感覚的に考えれば、分かりきったことではあると思いますが、理屈でお伝えした方が説得力が増すのではないかと考えております。
ご参考にしていただければ、幸いです。
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