近年の健康志向の高まりによって、筋力トレーニングがより身近な存在になりました。
そして、インターネットや雑誌などで検索すると、容易に筋トレに関する情報を得ることができるようになっております。
しかし、情報が多くなりすぎて、どの情報が正しいのかそうでないのかが判断つきにくくなっているのも事実です。
これからは、どの情報が自分にとって有用なのかを判断することが大切であると考えております。
ただ、筋力トレーニングは、健康増進と身体機能の向上を実現する手段として、非常に有効であることは間違いありません。
このコンテンツでは、筋トレに関する「教科書的な知識」を列挙しておりません。
実際に自分で身体を動かしてみて、感じたことをお伝えしております。
なので、万人にとって「腑に落ちる内容」になっていないかもしれませんが、皆さまが筋力トレーニングを行う上で、何かの参考になるのではないかと考えております。
身体を大きくする事について
筋力トレーニングの目的は、「健康増進」と「身体機能の向上」を実現することです。
筋力トレーニングは、身体だけでなく、心にも良い影響をもたらしてくれます。
身体が変われば、気持ちも前向きになり、心と身体の充実につながります。
心と身体は、お互いに影響し合う「心身相関」の関係にあるのです。
さて、力の強さは、筋肉の太さに比例します。
筋力トレーニング、食事、そして休養をバランス良く取り入れることで、筋肉は太くなります。
そして、筋肉が太くなると、身体が大きくなり、力の強さが増します。
しかし、筋肉を太くし、身体を大きくすることは、メリットばかりではありません。
身体を大きくすると、それに伴い、関節や靭帯などの組織に加わる負荷も大きくなってしまいます。
原則として、成長期を経て大人の身体になったら、関節や靭帯などのサイズを変えることは出来ません。
また、ケガなどが原因で、関節や靭帯などの組織に一旦ダメージを負ってしまうと、再生することは出来ません。
関節や靭帯などの組織は、一年でも長く残存させることが大切になってきます。
身体を大きくするということは、関節や靭帯などの組織への負荷が大きくなってしまうことを考慮に入れなくてはいけません。
「筋肥大によって身体を大きくすること」と「関節や靭帯などの組織にかかるストレス」とのバランスを考えながら、トレーニングを行うことが大切なのです。
トレーニングを行う際は、「生まれ持った身体のサイズを極力崩さず、自分の身体を自由自在に使いこなすための身体づくり」が理想的であると考えております。
筋肉を太くし、身体を大きくすることを否定しているわけではありません。
筋力トレーニングで身体を大きくすることは、筋肉量を増加させる方法として、非常に有効です。
身体を大きくすることのメリットとデメリットについて、十分に理解した上で、筋力トレーニングを行うことが大切であると考えております。
個人的な話になってしまいますが、トレーニングを行う際、自重トレーニングを積極的に取り入れています。
しかし、自重トレーニングでは、負荷が足りないのではないかというご意見があると思います。
自重トレーニングでも、やり方次第で負荷を高めることが可能です。
例えば、プッシュアップ(腕立て伏せ)には、さまざまなバリエーションがあります。
プッシュアップは、体力レベルに応じて、難易度を調整することが出来ます。
上半身の筋力に自信がない方であれば、両膝を床につけた状態で行うことで、負荷が調整出来ます。
また、体力に自信がある方であれば、「手幅を狭くしたナロープッシュアップ」、さらに「逆立ちプッシュアップ(逆立ちで行う腕立て伏せ)」にすることで、難易度を上げることが出来ます。
逆立ちプッシュアップは、非常に難易度が高く、筋力、及びバランス能力共に高いレベルが要求されます。
自分の体重が負荷である為、ケガのリスクを最小限に抑えることが出来るのも、自重トレーニングのメリットです。
そして、「自分の身体を自由自在に使いこなすための身体づくり」を行う方法として、逆立ちプッシュアップは非常に有効な種目です。
同様に、体幹トレーニングである「レッグレイズ」や「ブリッジ」、そして「スクワット」についても、体力に応じた難易度を設定することが可能です。
繰り返しになりますが、自重トレーニングでも、工夫次第で、効果的な身体づくりが出来るのです。
筋トレを習慣化することで太りにくい身体になれます
トレーニングを習慣化し、身体の筋肉量が増えると、太りにくい身体になれます。
筋肉は、身体の唯一の動力源であり、基礎代謝量は、筋肉量に比例します。
ダイエットは、多くの方にとっての関心事です。
雑誌などで「ダイエット特集」が頻繁に特集が組まれていることからも、多くな方にとっての「大きな関心事」であることが伺えます。
しかし、「過度な食事制限」をして、体重を減らすことはおすすめできません。
「過度な食事制限」は、確かに体重の数値が減るのですが、同時に筋肉量も減ってしまいます。
筋肉量が少なくなると、基礎代謝量も減少し、結果として、脂肪が燃焼しにくい身体になってしまいます。
体重は減少したけど、「過度な食事制限」をしたことで、太りやすい身体になってしまうのです。
そのような身体は、皆さまは望んでいないと思います。
皆さまとっての理想とする体型は、「体脂肪量が少なく、メリハリのあるスタイルの良い身体」であると考えています。
ダイエットをするということは、「単純に体重の数値を減らすことではなく、スタイルの良い身体づくりをすること」であると言い換えることが出来ます。
「体脂肪量を少なくし、メリハリのあるスタイルの良い身体づくり」を実現する為には、トレーニングが最も良い方法であると考えています。
トレーニングを行うことで、筋肉量が増え、基礎代謝量の増加につながります。
基礎代謝量の増加は、脂肪が燃焼しやすい身体をもたらしてくれます。
燃費が良い軽自動車ではない「スポーツカー」をイメージしていただければ、分かり易いかと思います。
また、トレーニングを行うと、一時的に体重の数値が増えることが多いです。
筋肉は脂肪に比べて重い為、一時的な体重増加につながると思います。
長期的にみれば、基礎代謝が上がり、脂肪が燃焼しやすくなる為、スタイルの良い身体になり易くなります。
体重の数値が増えても、体脂肪量が少なくスタイルの良い身体であれば、大きな問題にはなりません。
筋肉量が多い方は、見た目以上に体重の数値があります。
また、トレーニングで筋肉量が増加すると、身体が動かしやすくなります。
基礎代謝量が増えている状態で、身体活動量も増加すると、脂肪燃焼の相乗効果が期待出来ます。
そして、身体活動量も増加すると、「心の部分」も晴れやかな気持ちになり、「心」と「身体」の健康にもつながります。
理想的なダイエットとは、トレーニングで筋肉量を増やすことであると考えております。
理想の身体を獲得する為に、トレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。
呼吸を意識すると力が入りやすくなります
筋力トレーニングを行う際、呼吸を意識されると力が入りやすくなります。
例えば、スポーツで強い力を出したい時に、気合いを入れることが多いと思います。
声を出し、気合いを入れることで、強い力が発揮しやすくなります。
パフォーマンスを上げるために無意識に行っていることですが、非常に理にかなっております。
声を出すことは、呼吸でいうと息を吐く動作です。
筋力トレーニングの際、力を入れたい局面では、息を吐きながら行うことをおすすめします。
スクワットでは、しゃがむ際は息を吸い、立ち上がる際に息を吐きます。
スクワットで主に鍛えることが出来る筋肉は、太ももの「大腿四頭筋」とお尻の「大殿筋」です。
これらの筋肉は、しゃがんだ状態から立ち上がる際に、力を発揮する筋肉です。
スクワットでは、立ち上がる時に強い筋力が必要となる為、息を吐きながら行うのです。
腕立て伏せでは、肘を曲げる時に息を吸い、肘を伸ばす時に息を吐きます。
腕立て伏せは、主に鍛えることが出来る筋肉は二の腕の「上腕三頭筋」と胸の「大胸筋」です。
それらの筋肉は、物を押す動作の時に、力を発揮する筋肉です。
腕立て伏せの際は、肘を伸ばす時に、息を吐きながら行います。
「力を発揮したい時に息を吐く」とお伝えしましたが、例外があります。
それは、背中のトレーニングです。
背中のトレーニングでは、主に引く動作を行います。
チューブを用いたロウイング(チューブロウイング)を例にとって、ご説明します。
チューブロウイングは、肘を伸ばした状態から、チューブを手前に引くトレーニング種目です。
そして、引く動作のときに強い力が発揮されます。
原則通りに行うのであれば、チューブロウイングでも、チューブを引くときに息を吐くのではないのかと思います。
しかし、チューブロウイングでは、チューブを引く時には、息を吸います。
なぜなら、チューブを引くときは、胸が張れるため、息を吸った方が違和感のない動作につながります。
原則とは反対の呼吸動作にはなりますが、トレーニングの時の呼吸のし易さを優先した方が良いと考えています。
チューブロウイングの際は、チューブを引くときに息を吸い、肘を伸ばす時は息を吐きます。
例として挙げた3つのトレーニングの呼吸法についてまとめます。
- スクワット
しゃがむとき:息を吸います
立ち上がるとき:息を吐きます
- 腕立て伏せ
肘を曲げるとき:息を吸います
肘を伸ばすとき:息を吐きます
- チューブロウイング
チューブを引くとき:息を吸います
チューブを戻すとき:息を吐きます
筋力トレーニングの特異性の原理について
目標とする身体づくりを実現する為には、筋力トレーニングの「特異性の原理」に則って行うことが大切です。
例えば、「階段の昇り降りがよりスムーズになること」を筋力トレーニングの目標とした場合、その目標に沿ったトレーニングの種目を選定しなくてはいけません。
特異性の原理に則って、「下半身や体幹を鍛えること」を主としたトレーニング種目の選定が必要になってきます。
極端な話、腕立て伏せなど上半身のトレーニングを行ったところで、その目標を達成することは出来ません。
目標に沿ったトレーニング種目の選定が必要になってくるのです。
階段の昇り降りの為の筋力を高める為には、以下のようなトレーニング種目が必要になってきます。
- 全身の基礎体力を向上させる為のレジスタンストレーニング
- 床を蹴り出す動作を行うスクワット系の下半身トレーニング
- 階段の昇降動作に特異的なトレーニング種目であるステップアップ(踏み台昇降) など
プッシュアップなどの上半身のトレーニング種目を行っても、直接的な効果がないとお伝えしましたが、基礎体力を高めるという目的であれば、トレーニングメニューの一つとして組み込むのも有効です。
そのように、目標とする動作を分析した上で、特異性の原理に則ったトレーニングメニューを処方した方が効果的な身体づくりが実現できると考えております。
背中のトレーニングは肩甲骨の意識が大切です
背中のトレーニングは、難易度が高いです。
なぜなら、背中は目に見えない部位である為、トレーニングをする際に背中を意識することが難しいからです。
背中のトレーニングは、ラットプルダウンやロウイングなど、引く動作を伴うことが特徴です。
背中のトレーニングを効果的に行う為には、肩甲骨を背骨に寄せる意識を持つことが大切になってきます。
肩甲骨を意識する為のポイントとして、解剖学的な肩甲骨の位置を把握することです。
一つの方法として、トレーニング環境の安全性を確保した上で、動作中に誰かに肩甲骨を触れてもらうことも有効な方法であると考えております。
五感の一つである触覚を利用することで、肩甲骨の動きがイメージしやすくなり、背中のトレーニングの助けにつながります。
また、筋力トレーニングを行う際は、呼吸を意識することも大切です。
例えば、背中のトレーニングであるロウイングを行う際、引く動作(コンセントリック筋活動)では息を吸い、戻す動作(エキセントリック筋活動)で息を吐きます。
引く動作のときに胸が広がる為、胸の動きに合わせて、呼吸を行った方がトレーニング動作がスムーズになります。
繰り返しになりますが、ロウイングを行う際、引く動作では息を吸い、戻す動作では息を吐きます。
トレーニング愛好家の中でも、胸の筋肉は非常に発達していますが、背中の筋肉に課題を残している方が多くみられます。
胸を張る姿勢の意識付けにチューブロウイングが有効です
胸を張る姿勢の意識付けの為に、チューブを用いた「チューブロウイング」を行うことがとても有効です。
「チューブロウイング」は、背中のトレーニング種目の一つであり、チューブがあれば、ご自宅でも気軽に行うことが出来ます。
「チューブロウイング」は、柱などにチューブを取り付けた状態で、チューブを手前に引く動作です。
動きとしては、比較的単純ではありますが、チューブを引く際の「背中への意識付け」が大切になります。
「背中への意識付け」のポイントは、「肩甲骨を背骨に寄せること」です。
「肩甲骨を背骨に寄せる意識付け」が出来れば、胸を張る姿勢がし易くなります。
「胸を張る姿勢の意識付け」を行う為の練習として、「チューブロウイング」をおすすめいたします。
「チューブロウイング」のポイントは、
- 脇をしめながら引くこと
- チューブを引いた時の手の高さは、おへそのあたり
チューブを引く時に脇が開いてしまうと、肩甲骨を寄せにくくなってしまいます。
チューブを引いた時の手の高さが高くなりすぎてしまうと、肩がすぼめてしまい、肩甲骨が寄せにくくなります。
もし、動作に慣れてきたら、呼吸を意識されることをおすすめします。
チューブを引くときは、息を吸いながら、3秒かけて引きます。
チューブを戻すときは、息を吐きながら、3秒かけてもとに戻します。
この動作を20回ほど行うと背中が温かくなり、爽快感が得られます。
もしよろしければ、「チューブロウイング」を取り入れられると、幸いです。
「チューブロウイング」の他に背中のトレーニングとして、「ラットプルダウン」、「懸垂」などがあります。
「ラットプルダウン」、「懸垂」に共通する動作は、引く動作を伴うことです。
一般的に背中のトレーニングは、難しいといわれています。
トレーニングを効果的に行う際は、目的の筋肉への意識付けが大切になってきます。
背中は、目と正反対の位置になる為、トレーニングの際の背中の意識付けが難しいです。
背中のトレーニングが難しいと言われている理由です。
胸を張ることは、正しい姿勢を行う上で、とても大切な意識付けです。
背中の筋肉への意識付けが、正しい姿勢を行う為に欠かすことが出来ないのです。
背中の筋肉に意識付けを行う為には、トレーニングを行う際に、肩甲骨を背骨に寄せることが大切です。
肩甲骨を寄せるイメージとしましては、リュックサックを背負ったときの感覚です。
肩甲骨を寄せるイメージが頭の中で鮮明になると、背中の筋肉への意識付けがしやすくなります。
「ラットプルダウン」などは、ジムに行かないと出来ないので、自宅で行うことが出来る「チューブロウイング」を導入として取り入れていただくのもアリです。
もし、背中のトレーニングが慣れてきて、トレーニングに物足りなさを感じてきたら、ジムの通われることを視野に入れても良いと考えています。
登山の下りでなぜ筋肉痛が起こりやすいのか
登山では、上り坂よりも下り坂の方が筋肉への負荷が強くなる為、下りの方が筋肉痛になることが多いです。
筋肉には、さまざまな種類の活動があり、その中でもエクセントリック筋活動(遠心性収縮)を伴う筋肉の活動が、筋肉への負荷が大きくなるといわれています。
下り坂は、主にエキセントリック筋活動(遠心性収縮)が主に行われている為、筋肉痛が起こりやすいのです。
一般的に、筋肉(骨格筋)は関節をまたいで、腱となり、腱が骨に付着します。
筋肉が活動する際は、骨に付着した2つの腱が移動することで、関節運動が行われます。
骨に付着した部位を、それぞれ起始と停止といいます。
また、筋肉が活動する際は、筋肉の長さも変化します。
筋肉が活動した際に、筋肉の長さの変化に応じた3つの種類に分類されます。
- コンセントリック筋活動(求心性収縮)
筋肉が活動した際に、筋肉の長さが短くなります。
コンセントリック筋活動では、起始と停止が近づきます。
例えば、荷物を持ちながら、肘を曲げる動作です。
- アイソメトリック筋活動(等尺性収縮)
筋肉が活動した際に、筋肉の長さが変化しないことを、アイソメトリック筋活動といいます。
例えば、荷物を持ち上げた後に、静止している状態です。
- エキセントリック筋活動(遠心性収縮)
筋肉が活動した際に、筋肉の長さが長くなります。
エキセントリック筋活動では、起始と停止が遠くなります。
例えば、ゆっくりと荷物を下ろす際に、ブレーキをかけながら、肘を伸ばす動作です。
3種類の筋肉の活動の中でも、エキセントリック筋活動の局面が、最も筋肉へのダメージが大きくなります。
それらの筋活動の特性を利用して、筋力トレーニングにも応用することが出来ます。
スクワットは、立った状態から膝を曲げてしゃがみ込み、しゃがみきった状態から立ち上がる動作です。
主に太もも前面の大腿四頭筋とお尻の大殿筋を鍛えることが出来ます。
- スクワットのエキセントリック筋活動は、立った状態から一番低いところ(ボトムポジション)までしゃがみ込む動作です。
- スクワットのアイソメトリック筋活動は、深くまでしゃがんだ状態(ボトムポジション)です。
- スクワットのエキセントリック筋活動は、しゃがみきった状態(ボトムポジション)から立ち上がるまでの動作です。
誤解を恐れずにいうと、筋力トレーニングは、どれだけ筋肉にダメージを与えられたかどうかで、トレーニングの効果に差がでてきます。
スクワットで筋肉により強い刺激を与える為に、エキセントリック筋活動を強調する方法があります。
具体的にいうと、立った状態からボトムポジションまでのしゃがむ動作をゆっくり行う方法です。
そうすることで、目的の筋肉に強い負荷を与えることができます。
ただし、やりすぎてしまうとケガの原因にもなる可能背があるので、専門家のもとで行うことをおすすめします。
シットアップとレッグレイズ
シットアップとレッグレイズは、腹筋のトレーニング種目です。
シットアップは、足首を固定した状態で、体幹を起こす運動であり、部活動や体育の授業などで、ほとんどの方が経験しているかと思います。
シットアップを行う際は、膝関節を90度に曲げて行うことをおすすめします。
膝関節を曲げずにシットアップを行うと、腰が過度に反れてしまう為、腰痛のリスクが高くなります。
一方、レッグレイズは、体幹を動かさずに太ももを挙げる運動です。
レッグレイズには、仰向けで行ったり、懸垂台にぶら下がったりするなど、さまざまなバリエーションがあります。
レッグレイズは、体幹を動かさずに、もも上げ運動を行うことが特徴です。
シットアップとレッグレイズは、共に腹筋を鍛える種目なのですが、体幹と下半身の動きが反対になるのです。
レッグレイズには、シットアップにはないメリットがあると考えております。
繰り返しになりますが、レッグレイズは、もも上げ動作を伴うトレーニング種目です。
もも上げ動作は、キックやダッシュなどのスポーツ動作で頻繁に行われます。
レッグレイズを取り入れることで、もも上げ動作が力強くなると、スポーツパフォーマンスの向上が期待出来ます。
レッグレイズは、スポーツパフォーマンスの向上につながるトレーニング種目であると考えております。
レッグレイズには、バリエーションの一つである「ハンギングレッグレイズ」があります。
ハンギングレッグレイズは、懸垂台などにぶら下がりながら、もも上げ動作を行うレッグレイズです。
懸垂台などにぶら下がりながら行う為、腹筋以外にも、握力を鍛えることが可能です。
また、ハンギングレッグレイズは、ぶら下がっている状態を保持する必要がある為、広背筋などの背中の筋肉にも刺激を与えることが出来ます。
ハンギングレッグレイズは、レッグレイズの中でも、難易度が高いですが、多くの筋肉に刺激が加わる非常に優れた種目なのです。
さらに、ハンギングレッグレイズには、レッグレイズのバリエーションの中でも、腰への負荷が軽減出来ます。
仰向けで行うレッグレイズは、動作中に腰が反れてしまう可能性があります。
人によっては、仰向けで行うレッグレイズが原因で、腰が痛くなる可能性が出てきます。
ハンギングレッグレイズは、ぶら下がって行う為、腰が反れる可能性が低くなります。
腰への負担が軽減出来ることもハンギングレッグレイズのメリットです。
個人的な意見になってしまいましたが、今後の身体づくりの参考にして頂ければ、幸いです。
シットアップでなぜ膝を伸ばしてはいけないのか
仰向けの状態で膝を伸ばすと、腰が過度に反れてしまいます。
そして、膝を伸ばした状態で、シットアップ(腹筋運動)を行うと、腰に過度なストレスが加わり、腰痛の原因になります。
膝を90度に曲げてシットアップを行っているのは、腰への負荷を軽減させる為です。
ヒトの背骨は、S字状のカーブである生理的弯曲を呈しています。
頚椎(首の背骨)と腰椎(腰の背骨)は、前凸のカーブ(前弯)を描いています。
胸椎(胸の背骨)と仙椎(仙骨)は、後凸のカーブ(後弯)を描いています。
そして、骨盤は、やや前側に傾いております。
それらの背骨のカーブや骨盤の傾きによって、身体に加わる衝撃を和らげると同時に、身体全体のバランスがとれているのです。
「骨盤を前傾させる(前側に傾ける)筋肉」と「骨盤を後傾させる(後側に傾ける)筋肉」が相互に働くことで、骨盤の傾きを調節しています。
骨盤を前傾させる筋肉は、腸腰筋(もも上げの筋肉)と大腿直筋(大腿四頭筋の一つ)、及び脊柱起立筋(背骨の両サイドにある筋肉)です。
骨盤を後傾させる筋肉は、腹直筋(シックスパックの筋肉)と殿筋群(お尻の筋肉)です。
それらの筋肉がバランス良く働くことで、適切な骨盤の傾き(やや前側に傾いている状態)を保つことが出来ています。
そして、骨盤や背骨を含めた体幹のバランスがとれているのです。
仰向けの状態で膝を伸ばすと、骨盤が過度に前傾し、腰の背骨(腰椎)の前弯が強くなってしまいます。
腸腰筋が引き伸ばされたことによって、骨盤が前傾してしまったことが、一つの要因として考えられます。
腸腰筋は、骨盤を前傾させる筋肉です。
腸腰筋の作用によって、骨盤が前傾し、それにつられるように腰椎(腰の背骨)の前弯も強くなってしまいます。
そして、腰が過度に反れてしまいます。
骨盤を後傾させる筋肉である腹直筋(シックスパックの筋肉)や殿筋群(お尻の筋肉)に力を入れれば、骨盤の過度の前弯を軽減させることが出来ますが、ここでは脱力した状態を想定して考えています。
膝を伸ばした状態でシットアップを行うと、腰痛の原因になってしまうのです。
腰痛を防ぐ為には、膝を曲げてシットアップを行う必要があります。
シットアップを行う時に、腰が過度に反れることを防ぐことが主な目的です。
仰向けで膝を曲げることで、腸腰筋の突っ張りが和らぎ、過度の骨盤前傾の状態を軽減することが出来ます。
腰へのストレスの軽減につながり、安全にシットアップを行うことが出来るのです。
中殿筋を鍛えるとバランス能力が向上します
「中殿筋」は、お尻の筋肉の一つであり、バランス能力に大きく関わる筋肉です。
「サイドステップ」や「階段の昇降」など、片足で身体のバランスをとる場面で、「中殿筋」の活動が高くなります。
お尻の筋肉には、主に「大殿筋」、「中殿筋」、「小殿筋」などがあります。
また、お尻の筋肉は、身体の中でも大きな筋肉であり、股関節を動かす作用があります。
- 「大殿筋」は、股関節を後ろに動かす(股関節の伸展)作用があります
- 「中殿筋」と「小殿筋」は、股関節を外側に動かす(股関節の外転)作用があります
- 「小殿筋」は、「中殿筋」の奥深くにあり、筋肉の大きさは「中殿筋」の約半分です
なお、「中殿筋」と「小殿筋」は、筋肉の走行と作用が類似している為、ここからは「中殿筋」を股関節を外側に動かすお尻の筋肉としてお伝えします。
ヒトのお尻の筋肉は、犬や猫などの四足動物と比べて、非常に発達しています。
進化の過程で、直立二足歩行を獲得した際に、お尻の筋肉が発達したといわれております。
犬や猫などの四足動物が直立二足歩行を行おうとしても、まず出来ません。
直立二足歩行を行うことが出来る地球上の生物は、ヒトのみです。
お尻の筋肉は、股関節を動かすと同時に、直立二足歩行を行う際に欠かすことが出来ないのです。
「大殿筋」は、地面を蹴り出す機能があり、力強く歩行する為に必要な筋肉です。
また、歩行や階段の昇降などをスムーズに行う為には、横方向に対してもバランスを取りながら、移動する必要があります。
横方向のバランスを取るために大切になってくる筋肉は、「中殿筋」です。
直立二足歩行を力強く行うためには、お尻の筋肉をバランス良く鍛える必要があるのです。
スクワットは、両足で地面を蹴りながら、しゃがんだり立ち上がったりする動作です。
スクワットは、お尻の筋肉の中でも「大殿筋」を鍛えることが出来ます。
「中殿筋」を鍛えられないことはないのですが、スクワットは、とちらかといえば「大殿筋」に強い刺激が加わる種目です。
それでは、「中殿筋」を鍛えるためにはどのようなトレーニングをしたら良いのかといいますと、「スクワット」の類似種目である「ランジ」や「ブルガリアンスクワット」を行うことをおすすめします。
それらのトレーニングは、左右の足を前後にずらして行う為、横方向のバランスをとりながら行います。
「ランジ」や「ブルガリアンスクワット」は、お尻の外側の筋肉に刺激が加わりやすくなります。
お尻全体の筋肉は、非常に大きい為、様々な角度からトレーニングすることが大切です。
今後の身体づくりの参考にしていただければ、幸いです。
スタンディングカーフレイズとシーテッドカーフレイズ
ふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニング種目として、カーフレイズがあります。
カーフレイズは、つま先立ちで行う運動です。
カーフレイズは、ふくらはぎを鍛えるだけでなく、バランス能力を向上させるトレーニングとしても有効です。
また、ふくらはぎの筋肉の役割として、末梢にある静脈血を心臓に戻す為のポンプ作用があります。
ふくらはぎの筋肉は、第二の心臓ともいわれております。
ふくらはぎの筋肉には、表層にある腓腹筋と深層にあるヒラメ筋があります。
それらの筋肉は、つま先立ち(足関節の底屈)の作用があります。
カーフレイズで腓腹筋とヒラメ筋を鍛えることが出来ますが、工夫次第でそれらの筋肉を鍛える比率を変えることが出来ます。
カーフレイズのバリエーションとして、スタンディングカーフレイズとシーテッドカーフレイズがあります。
- スタンディングカーフレイズは、立って行うつま先立ち運動です
- シーテッドカーフレイズは、座って行うつま先立ち運動です
腓腹筋を鍛える比率を上げたい場合は、スタンディングカーフレイズをおすすめします。
腓腹筋は、足関節と膝関節をまたいで走行する二関節筋である為、立位の時のつま先立ちで筋肉が強く収縮します。
立位で行うスタンディングカーフレイズは、腓腹筋が働く比率が高くなるのです。
一方、ヒラメ筋を鍛える比率を上げたい場合は、シーテッドカーフレイズをおすすめします。
ヒラメ筋は、足関節のみをまたいで走行する単関節筋である為、座位の時のつま先立ちで筋肉が強く収縮します。
座位で行うシーテッドカーフレイズは、ヒラメ筋が働く比率が高くなります。
繰り返しになりますが、スタンディングカーフレイズは、腓腹筋を鍛える比率を上げたい時に行い、シーテッドカーフレイズは、ヒラメ筋を鍛える比率を上げたい時に行うことををおすすめします。
余談にはなりますが、ふくらはぎの肉離れの部位を同定する方法として、スタンディングカーフレイズとシーテッドカーフレイズの考え方が役に立ちます。
ふくらはぎの筋肉は、肉離れを起こしやすい部位です。
一般的に、肉離れの好発部位は、腓腹筋の内側ですが、ヒラメ筋など他の筋肉でも起こる可能性があります。
例えば、肉離れの発生部位が腓腹筋である場合は、膝を伸ばした時のつま先立ち動作で、ふくらはぎに強い痛みが発生する傾向があります。
スタンディングカーフレイズの動きです。
また、ヒラメ筋に肉離れが発生している場合は、膝を曲げた時のつま先立ち動作で強い痛みがあらわれることが多いです。
シーテッドカーフレイズの動作です。
それぞれの筋肉の特徴から、肉離れの発生部位の同定を行うことが出来るのです。
トレーニング記録表への記録について
筋力トレーニングを行う際は、日々の「トレーニング記録表」への記録が大切です。
実施したトレーニングの内容を時系列で記録することで、今まで自分が行ってきた内容を把握することが出来ます。
今までの自分のトレーニングを客観的に把握することができ、自分の強みやウィークポイントの気付きにもつながります。
自分の強みを把握することで、自分自身の成長が確認でき、トレーニングへの意欲向上につながります。
ウィークポイントの気付きは、トレーニング停滞期の打開策へのヒントとなります。
トレーニング記録表は、トレーニングに行き詰った時に、トレーナーなどの専門家に相談する際にも有効です。
トレーニング記録表があれば、行き詰った原因が特定しやすく、より適切なアドバイスがもらえ易くなります。
毎回の記録である為、手間がかかる作業となるかもしれませんが、是非とも「トレーニング記録表」の記録を行って頂きたいと考えています。
筋力トレーニングは人生を豊かにします
「心」と「身体」は、互いに独立しておらず、「心身相関」の関係にあります。
「心」と「身体」を強くするためには、筋力トレーニングを行うことをおすすめします。
古代ローマの詩人ユウェナリスの言葉で「健全な精神は健全な肉体に宿る」という名言があります。
適度な運動は、身体の動きを良くし、「心身」ともにリフレッシュする効果があります。
また、適度な運動は、身体の機能が向上するだけでなく、気持ちも前向きにしてくれる効果も期待出来ます。
筋力トレーニングは、「心」と「身体」を整える効果があるのです。
学校や仕事の現場では、立場を利用して理不尽なことをしてくる人間が一定数います。
綺麗事抜きにして、いじめの問題は、「子供の世界」や「大人の世界」に問わず、必ず存在します。
いじめ問題に対抗する為には、「心」と「身体」共に強くなるしかありません。
いじめる側の人間は、弱いと思う人間をターゲットにします。
筋力トレーニングで鍛え上げた「心」と「身体」は、いじめる側の人間にとって、脅威となります。
いじめる側の人間は、強い人間に挑むことはまずありません。
自衛のためにも「筋力トレーニング」をすることは、非常に有効な方法です。
「筋力トレーニング」をしない理由が見当たりません。
さらに、定期的な運動を開始するのに、遅すぎることはありません。
筋力は何歳になっても向上することは、科学的に証明されております。
今が一番若いときです。
繰り返しになりますが、「筋力トレーニング」を始めるのに遅すぎることはありません。
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