慢性的な肩こりが原因で、首や背中の筋肉に痛みや緊張が続くと、交感神経が優位になりやすくなります。
交感神経が優位になると、血管が収縮し、筋血流量の低下にもつながります。
筋肉の緊張や筋血流量の低下は、局所に発痛物質や老廃物などが滞りやすくなり、それらの物質によって、更なる痛みが出現する「痛みのスパイラル」を引き起こす可能性が出てきます。
「痛みのスパイラル」を取り除く方法として、鍼治療が有効です。
鍼は、筋肉の痛みや緊張を和らげ、刺激部位付近での血行を促進する効果があります。
皮膚や筋肉に鍼刺激を与えると、「β-エンドルフィン」や「エンケファリン」などの内因性オピオイドが脳内で分泌されます。
内因性オピオイドとは、鎮痛作用のある物質であり、それらの物質が体内で分泌させることで、鎮痛効果が発現されます。
また、刺激部位付近での筋肉の血流量が高まると、滞っていた発痛物質や老廃物を洗い流し、鎮痛効果や疲労回復効果をもたらしてくれます。
さらに、心地良い鍼刺激は、快楽物質である「ドーパミン」が体内で分泌され、脳波をα波優位(リラックスモードの時に見られる脳波)とします。
また、心拍数や血圧を下げ、副交感神経が優位となります。
心地良い鍼刺激は、心身のリラクゼーション効果をもたらしてくれます。
鍼治療は、筋肉の痛みや緊張の緩和、筋血流量の増加、そして自律神経を整える効果があるのです。
さて、肩こりでお悩みの方の多くは、猫背などの前かがみ姿勢である傾向があります。
そして、猫背などの前かがみ姿勢によって、「巻き肩」の状態になっていることが多くみられます。
「巻き肩」とは、肩が内側に入った状態であり、頭の位置が前方にスライドすることで、首や背中などの筋肉にストレスが加わり易くなります。
首や背中へのストレスによって、筋肉の痛みや硬さを引き起こし、場合によっては、頭痛につながる可能性も出てきます。
首や背中などの筋肉へのストレスを軽減させる方法として、「腰を反り過ぎず、胸を張り、肩甲骨を背骨に寄せる姿勢」の意識付けが大切です。
その為には、胸が張れやすくなる骨格にすることが大切になってきます。
身体全体の骨格バランスを整えるのです。
具体的には、身体全体の土台である骨盤の歪みの調整、そして頭部や背骨にかけての骨格バランスを調整することで、肩甲骨の動きを良くします。
身体全体の骨格バランスを調整し、胸が張れ易くなることで、首や背中などの筋肉へのストレスも軽減し、肩こりの症状の緩和につながるのです。
鍼治療と骨格バランスの調整の両方の施術を行うことが、肩こりの治療として有効であると考えております。
慢性的な肩こりでお悩みの方、鍼治療と骨格調整の施術を取り入れてみてはいかがでしょうか。
出張鍼灸施術を承っておりますので、ぜひご相談くださいませ。
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