整形外科的疾患である胸郭出口症候群は、「手や腕に痛みやしびれを感じる」、「手に力が入りにくくなった」などの症状を訴えることが多いです。
そして、胸郭出口症候群は、腕神経叢と呼ばれる神経の束が、何かしらの原因で圧迫されることによって起こるといわれております。
胸郭出口症候群の主な症状は、腕から手にかけての痛みやしびれなどです。
腕神経叢とは、第5頚椎~第1胸椎(首の背骨~胸の背骨)から出る脊髄神経の束です。
腕神経叢は、背骨から出て、首の横にある筋肉(前斜角筋と中斜角筋)の間を通過し、鎖骨の下を通って、わきの下、そして腕や手などの上肢全体に分布しています。
また、腕神経叢は、腕や手などの上肢全体の運動や知覚を支配しております。
筋肉の硬さなどが原因で、神経のどこかしらの部位が圧迫されると、上肢の痛みやしびれにつながる可能性があります。
腕や手の痛みやしびれを伴う胸郭出口症候群は、首の状態と密接に関わっているのです。
肩こりでお悩みの方の多くは、巻き肩である傾向があります。
巻き肩とは、肩が内側に入った状態です。
巻き肩によって、頭の位置も前側にスライドし、いわゆるストレートネック(スマホ首)の状態になりやすくなります。
ストレートネックの状態は、首まわりの筋肉の硬さにつながることが多いです。
首まわりの筋肉の緊張は、腕神経叢を圧迫する原因となり、手や腕のしびれや痛みなどを引き起こします。
肩こりなどが原因で、首まわりの筋肉の緊張によって、胸郭出口症候群になる可能性が出てくるのです。
胸郭出口症候群の方の多くは、首まわりの筋肉が硬くなっていることが多く、そして胸が張れにくい状態である傾向があります。
胸郭出口症候群の治療を行う際は、「首まわりの筋肉の緊張を和らげる」だけでなく、「身体全体の骨格バランスを整える」ことが大切です。
具体的には、胸が張れやすくなる状態にすることです。
- 骨盤の歪みを調整し、身体の土台である骨盤を整えます
- ストレートネックの状態を軽減する為に、頭部と背骨の位置を整えます
胸が張れやすい状態にすることで、首まわりの筋肉へのストレス軽減につながります。
首まわりの筋肉の緊張を軽減する方法として、鍼治療が有効です。
先ほどお伝えした通り、胸郭出口症候群は、腕神経叢への圧迫によって、引き起こされる症状です。
- 腕神経叢が、首の横にある筋肉(前斜角筋と中斜角筋)を通過する部位
- 腕神経叢が、鎖骨の下(鎖骨と第一肋骨の間である肋鎖間隙)を通過する部位
- 腕神経叢が、胸の筋肉である小胸筋の下を通過する部位 など
それらの首まわりの筋肉の緊張によって、胸郭出口症候群を引き起こす可能性が出てくるのです。
胸郭出口症候群の原因を特定する際は、それぞれの部位への触診を行い、腕神経叢を圧迫している部位を同定します。
施術部位に対して、鍼治療を行うことで、刺激部位付近での血行が良くなり、筋肉の緊張の緩和につながります。
肩こりなど、首まわりの筋肉の緊張によって引き起こされる胸郭出口症候群は、鍼の適用であり、効果的な治療法でなのです。
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