「スクワット」をした後に腰に痛みがあらわれるのは、「バットウィンク」が原因かもしれません。
「バットウィンク」とは、「スクワット」で深くまでしゃがんだ際に、股関節の前側の付け根がつまり、骨盤が後ろに傾いてしまう状態(骨盤の後傾)です。
骨盤が後傾すると、腰や背中が丸くなってしまい、体幹に力が入りにくくなってしまいます。
体幹は、胸が張れている状態のときに、力を発揮することが出来ます。
腰や背中が丸まった状態は、力学的に腰への負荷が強くなってしまうと同時に、体幹にも力が入りにくくなってしまいます。
「バットウィンク」が原因で、腰に痛みを引き起こしてしまうのです。
バットウィンクにおける骨盤の傾きについて
バットウィンクの状態は、腰に過度のストレスが加わり、腰痛の原因となる可能性があります。
直立で立っているときの骨盤は、やや前側に傾いている(やや前傾)状態が望ましいです。
その骨盤の上にS字状のカーブを描いている背骨が乗ることで、直立でのバランスを保つことが出来ます。
バットウィンクになったときの骨盤は、後ろに傾いている(後傾)状態です。
骨盤が後ろに傾いた状態であると、身体全体のバランスを取るために、背骨が丸くなってしまいます。
丸くなった背骨は、腰や背中などに過度なストレスが加わり、それらの部位に痛みを引き起こすことにつながります。
バットウィンクと骨盤の傾きは、大きく関わっているのです。
バットウィンクを修正する為には、後ろに傾いた骨盤の状態をニューラルの状態(やや前傾の状態)に戻す必要があります。
バットウィンクになっている方のスクワットのフォームは、足幅が狭くなっているケースが多いです。
スクワットの足幅が狭いと、深くしゃがんだときに、股関節の前側の付け根がつまってしまい、それに伴って背中が丸くなってしまいます。
深くしゃがんだときの股関節のつまりを無くすことが、バットウィンクの修正に最も大切なポイントです。
バットウィンクの修正で、最も簡単に出来る方法としては、スクワットの足幅を広げることです。
スクワットの足幅を肩幅の1.5倍くらいにスタンスをとるワイドスクワットをご提案します。
また、つま先の方向を外側45度の八の字にすることで、股関節が外側に開きます。
股関節の前側のつまり感が軽減することで、スクワット時の骨盤の後傾を防ぐことが出来ます。
スクワットの足幅を広げるワイドスクワットは、バットウィンクの修正につながる可能性があります。
それでも、スクワット時の腰の痛みが続くようでしたら、代替種目としてのランジをおすすめします。
ランジは、前後方向に身体を移動しながら行う下半身トレーニングです。
ランジのメリットは、深くしゃがんだときにバットウィンクになりにくいことです。
スクワットと比べて、高重量を扱うことが出来ないデメリットはありますが、あえてランジを好んで行う人もいます。
スクワットでの腰の痛みで悩まされている方、ワイドスクワットかランジを取り入れてみてはいかがでしょうか。
ランジとスクワットの効果について
スクワットは、下半身トレーニングの代表的な種目であり、キングオブエクササイズともいわれております。
スクワットは、非常に優れた種目なのですが、スクワットを行いたくても行えない方がいらっしゃいます。
それは、スクワット時のバットウィンクが原因で、腰が痛くなってしまうケースです。
バットウィンクとは、スクワットで深くまでしゃがんだ際に、背中が丸くなってしまう状態です。
背中が丸くなることで、腰への負荷が強くなり、腰痛につながってしまうのです。
バットウィンクの対処法として、足幅を広げるワイドスクワットを行う方法があります。
ワイドスクワットを行っても、バットウィンクによる腰の痛みが改善されない場合は、代替種目としてのランジの導入を検討してみて下さい。
ランジは、スクワットと同様、下半身のトレーニング種目です。
ボトムポジションで背中が丸くなりにくい為、腰への負荷を軽減することが出来ます。
また、ランジは、片足ずつ前方に踏み出す動作を伴う為、高いバランス能力も求められます。
身体を前後に移動しながら行う為、スポーツ選手が好んで行うことが多いのも特徴です。
さて、スクワットと鍛える部位が類似していることから、「ランジ」と「スクワット」は比較されることが多いです。
スクワットは、両脚を地面に接地させて行う為、トレーニング動作時の安定性が高いです。
筋肥大や筋力向上に有効ではありますが、スポーツ動作に近い動作とはいえません。
一方、ランジは、片足ずつ前後に移動させる為、スクワットに比べてフォームの習得が難しいといわれています。
スポーツの現場では、好んで「ランジ」をトレーニング種目として取り入れる運動指導者もいらっしゃいます。
どちらの種目が優れているかではなく、「ランジ」と「スクワット」のそれぞれの特徴を把握し、両者を臨機応変に使い分けることが大切であると考えております。
ランジは、スポーツ動作に特異的であるとお伝えしたが、日常動作における身体づくりとしても「ランジ」は有効です。
歩行や走行動作、そして階段の昇降動作は、体幹のバランスをとりながら、左右の脚を交互に動かします。
ランジ動作は、日常動作と共通している部分が多いです。
ランジは、日常動作に特異的であると考えています。
スポーツ活動に限らず、日常動作のパフォーマンス向上にも有効な種目なのです。
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