お尻の横にある筋肉の硬さが原因で、ふくらはぎの外側に痛みが出現するケースがあります。
お尻の外側の筋肉には、中殿筋や小殿筋と呼ばれる筋肉が走行しております。
それらの筋肉は、股関節の外転作用(足を外側に上げる動作)があり、骨盤の安定化に大きく関わっています。
また、歩行動作や階段の昇降をスムーズに行う上で、大切な筋肉になってきます。
何かしらの原因で、中殿筋や小殿筋にストレスが加わり、それらの筋肉が硬くなると、筋肉内にトリガーポイントが形成される可能性があります。
トリガーポイントは、筋肉の痛みであり、ロープ状の索状硬結を触れることが特徴です。
その索状硬結が引き金となり、索状硬結がある付近の「局所」と「局所から離れた関係のない場所」に痛みが出現する「関連痛パターン」がみられます。
トリガーポイントによる筋肉の痛みは、局所だけの痛みではないのです。
また、中殿筋や小殿筋のトリガーポイントによる筋肉の痛みの出現部位も、お尻だけではありません。
中殿筋や小殿筋のトリガーポイントによる関連痛パターンは、「お尻」から「太もも」、そして「ふくらはぎ」にかけての広範囲に渡ります。
- 中殿筋のトリガーポイントによる関連痛パターンは、「お尻全体」や「太ももの裏側」です
- 小殿筋のトリガーポイントによる関連痛パターンは、「お尻全体」や「太ももの裏側と外側」、そして「ふくらはぎの裏側と外側」です
関連痛パターンからみても分かるように、ふくらはぎの外側の痛みは、小殿筋のトリガーポイントによって、出現する可能性があるのです。
痛みの原因が小殿筋のトリガーポイントによるものである場合、ふくらはぎの外側の筋肉にいくら治療したとしても、思うような治療結果につながらない可能性が出てきます。
筋肉の痛みの治療を行う際は、「局所によるものなのか」、もしくは「トリガーポイントによるものなのか」などの見極めが大切になってくるのです。
鍼治療は、小殿筋のトリガーポイントによる痛みの治療として、有効であると考えております。
小殿筋は、お尻の横の筋肉なのですが、中殿筋の奥にあります。
小殿筋は、体表から触れることの出来ない筋肉なのです。
小殿筋のトリガーポイントに直接アプローチする為には、体内に刺入することが出来る鍼治療が向いております。
鍼治療は、筋肉の痛みや緊張を軽減する効果があり、トリガーポイントへの治療法として、相性が良いと考えております。
そのように、筋肉の痛みの中には、局所だけでなく、局所から離れた場所にも痛みが出現するケースがあるのです。
慢性的な筋肉の痛みでお悩みの方、鍼治療を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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