肩関節の痛みによって、巻き肩による肩の痛み・腱板損傷などの症状が出現することが多いです。整骨と鍼灸治療は、それらの症状について、お役に立てることができます。
肩関節をスムーズに動かす為には、「胸を張った姿勢」で行うことが大切です。「胸を張った姿勢」と「前かがみ姿勢」の両方で、肩を挙げてみてください。「胸を張った姿勢」の方が、肩が上がり易かったと思います。反対に、「前かがみ姿勢」で肩を挙げようとすると、肩関節への負荷が大きくなります。肩関節に痛みを抱えている方の多くは、胸が張りにくい傾向があるのです。当院では、「患部の痛みを軽減する為の鍼灸治療」と「胸が張れやすくなる為の骨格アライメントの調整」を行っております。
肩甲骨の痛みを伴う腱板損傷への鍼治療
肩関節や肩甲骨まわりの痛みで多く見られる整形外科的疾患の一つに、腱板損傷(ローテーターカフ損傷)があります。
腱板損傷は、重い荷物を持ち上げるなどの反復的なストレスによるものが多いといわれております。
腱板損傷は、肩のインナーマッスルである腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の損傷です。
その中でも、棘上筋の損傷が最も多いといわれております。
鍼治療は、腱板損傷の治療法の一つとして、非常に効果的であると考えています。
鍼は、身体の深部にある筋肉に対して、直接アプローチすることが出来るからです。
いつまでも続く肩関節や肩甲骨まわりの痛みでお悩みの方、鍼治療の選択肢として、ご検討してみてください。
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巻き肩による首こりと肩関節の痛みの鍼治療
巻き肩とは、肩が内側に入っている状態であり、肩こりや首こりの方に多くみられます。また、巻き肩は、肩甲骨が外側に開くことにもつながります。肩甲骨が外側に開くと、首の筋肉や肩関節にストレスが加わりやすくなります。巻き肩が原因で、「首の筋肉のコリ」や「肩関節の痛み」を引き起こす可能性が出てくるのです。
「巻き肩」と「肩関節の動き」の関係を体感して頂く為に、簡単な実験を行いたいと思います。
- 胸を張り、肩甲骨を背骨に寄せた状態で、肩を挙げてみてください
- 猫背になり、肩甲骨を外側に開いた状態(巻き肩の状態)で、肩を挙げてみてください
おそらく、前者の「胸を張った状態」の方が、肩が挙がりやすかったと思います。胸を張った状態で肩を動かした方が、肩関節へのストレスが少なくなるのです。また、胸を張った状態は、肩関節だけでなく、首の筋肉へのストレスの軽減にもつながります。つまり、胸を張り、肩甲骨を背骨に寄せる姿勢は、「首の筋肉」や「肩関節」へのストレスを軽減することが出来るのです。
肩関節に痛みを抱えている方の多くは、肩甲骨が外側に開いている「巻き肩の状態」である傾向があります。肩関節は、「肩甲骨」と「上腕骨」で構成されています。肩関節を挙上する際は、「肩甲骨」と「上腕骨」は、一定の割合で、同時に動いています。「肩甲骨」と「上腕骨」が動く割合は、1:2です。例えば、肩関節を180度挙上する際は、肩甲骨が60度動くのに対して、上腕骨は、120度動きます。肩を挙上した際の、「肩甲骨」と「上腕骨」の動きを、「肩甲上腕リズム」といいます。肩甲上腕リズムからみても分かるように、肩関節の動きには、肩甲骨が大きく関与しているのです。肩甲骨が外側に開いている状態では、肩甲骨の動きが制限されます。肩甲骨が制限されている分、肩関節の挙上時、肩まわりの筋肉などの組織に負担がかかってしまうのです。
肩関節を治療する際は、鍼治療などの痛みに対する治療も大切ではありますが、それに加えて、身体全体の骨格バランスを整えることも大切であると考えています。身体全体の骨格バランスを整える目的は、胸が張れやすい状態(肩甲骨を背骨に寄せた状態)にすることです。胸が張れやすくなると、肩関節の動作時に、肩まわりの筋肉などの組織のストレス軽減につながります。結果として、肩関節への治療効果につながるのです。
肩関節の治療を行う際は、「痛みを軽減する目的での鍼治療」と「胸が張れやすい骨格に調整する施術」が大切であると考えております。
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姿勢と肩関節の動きについて
肩関節は、「背中にある肩甲骨」と「上腕の骨」で構成されています。肩関節を動かす時は、「上腕の骨」だけでなく、「肩甲骨」も同時に動きます。前かがみ姿勢の状態で肩を動かそうとすると、肩の動かしにくさを感じると思います。肩関節のインナーマッスルである回旋筋腱板(ローテーターカフ)にも負荷が加わり、肩の動きが損なわれ、場合によっては痛みがあらわれるのです。
前かがみ姿勢での動作は、肩関節に反復的なストレスが加わります。肩へのストレスを軽減する為には、適切な姿勢で肩を動かすことが大切です。適切な姿勢を維持しやすくするためには、骨格アライメント(骨や関節の並び方)の調整を行い、お身体全体のバランスを整える事が大切であると考えています。
ヒトの身体は、建物に例える事が出来ます。骨盤の部分は、建物でいうと1階部分に相当します。例えば、建物の1階部分である骨盤に歪みがあると、上層階にあたる肩や肘、そして首や背中にも歪みが生じ、硬さや痛みがあらわれる原因となります。身体全体のバランスを整えることは、肩に負担の軽減につながります。お身体全体で協調し合っているのです。患部だけでなく、身体全体のバランスを考え、施術を行う事が、理想的であると考えております。
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肩が痛いときの上着の更衣
肩関節に痛みがある際、上着を脱いだり着たりする更衣動作が辛くなることが多いです。
肩関節は、肩甲骨と上腕骨で構成されており、関節面が浅く、身体の中でも最も可動域が大きい関節です。
関節の可動域が大きい分、筋肉や腱、そして靭帯の関与が大きくなります。
肩関節の動きは、肩を真っすぐに上げる「屈曲」、肩を真後ろに上げる「伸展」、肩を真横に動かす「外転」、肩を内側に動かす「内転」です。
さらに、肩を内側に捻る「内旋」、肩を外側に捻る「外旋」の動作もあります。
肩関節は、これらの動きを組み合わせることで、複雑な動きが可能になるのです。
さて、肩関節を構成する骨である「肩甲骨」と「上腕骨」との位置関係を保つ為には、多くの筋肉や靭帯などが関わっております。
その中でも、肩甲骨に付着している肩関節のインナーマッスル(回旋筋腱板)は、関節の位置関係を保持し、捻ったりするなどの複雑な動きを行う際に欠かすことが出来ません。
肩関節のインナーマッスルは、「棘上筋」、「棘下筋」、「小円筋」、「肩甲下筋」で構成されており、「ローテーターカフ」とも呼ばれております。
ローテーターカフは、「肩甲骨」からはじまり、「上腕骨」に付着する小さな筋肉です。
それらの筋肉によって、肩関節の細かい動きが可能になるのです。
肩関節のローテーターカフは、関節の細かい動きが可能である分、日常動作やスポーツ活動での反復動作が原因で、肩関節の中でも痛めやすい部位であるといわれています。
上着の更衣は、肩関節の細かい動きを伴います。
肩関節のどこかしらに部位に痛みがある場合、上着の更衣が非常に辛い動作となります。
肩関節を痛めた時の上着の更衣のポイントとして、「痛くない方の肩から脱いで、服を着る時は痛い方の肩から袖を入れること」です。
例えば、右肩に痛みがある場合
- 左肩から脱いでから、右肩をそっと抜きます
- 服を着る時は、右肩から袖を入れて、左肩を入れます
肩関節が痛いときの上着の更衣方法として、今後の参考にして頂ければ、幸いです。
また、肩関節が痛いときは、横向きで寝る際は、痛い方の肩を下にして寝ないことをおすすめします。
痛い方の肩を下にしてしまうと、就寝中に肩に圧が加わり、肩の痛みが強くなってしまう場合があります。
仰向けで寝ていただくことが理想的ですが、横向きで寝る場合は、痛い方の肩は上にしていただいた方が良いと考えております。
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