首の施術について

首や肩甲骨まわりの痛みによって、肩こり首こり寝違え頭痛顎関節症手のしびれストレートネックなどの症状が出現することが多いです。

鍼灸治療は、それらの症状について、お役に立てることができます。

首や肩甲骨まわりに痛みでお悩みの方の多くは、猫背などの前かがみ姿勢である傾向があります。首だけでなく、背中や腰にも負担がかかっている場合も多くみられます。首や肩甲骨まわりの施術を行う際は、身体全体を診させていただいた上で、全身施術も行う必要があると考えています。また、胸が張れにくく、肩が前に出ている、いわゆる「巻き肩」である傾向があります。鍼灸施術や赤外線治療器などの物理療法で、筋肉を緩め、身体全体の骨格バランスの調整を行ってまいります。そして、患者様の状態に合ったエクササイズの方法もお伝えしております。

大捷館たいしょうかん治療院】は、大宮区・中央区・浦和区・西区・北区からのご来院の多い、さいたま市大宮区上小町の鍼灸院です。首や肩甲骨の痛みには、針治療とお灸の専門院にお任せください。

肩こりの鍼灸治療

鍼灸治療は、肩こりによって出現する筋肉の痛みや硬さを和らげる効果があります。慢性的な肩こりは、首や背中の筋肉に痛みを引き起こし、また筋肉の持続的な緊張によって、交感神経が優位になることが多いです。交感神経が優位になると、血管が収縮し、血行が滞ることで、新たな筋肉の痛みを引き起こす可能性が出てきます。そのような痛みのスパイラルを取り除く為には、自律神経のバランスを整え、心身のリラックスを得ることが大切であると考えております。

鍼灸は、鎮痛効果だけでなく、自律神経を整える効果があります。心地良い鍼灸刺激は、脳波をα波とし、心拍数や血圧を下げる効果があります。また、快楽物質である「ドーパミン」が体内で分泌されることも分かっております。自律神経のバランスを整え、心身のリラクゼーション効果が得ることが出来るのです。

肩こりのトリガーポイント鍼治療

肩こりは、首や背中の筋肉の痛みや硬さだけでなく、頭痛を引き起こすことがあります。首や首すじに反復的な負荷が加わると、筋肉内にトリガーポイントが形成されます。首や首すじの筋肉のトリガーポイントは、局所だけでなく、頭部にも痛みが放散される「関連痛パターン」を持つのです。トリガーポイントとは、猫背姿勢などの反復的な筋肉へのストレスなどが原因で、筋肉内にロープ状の索状硬結を触れることが特徴です。形成されたトリガーポイントが引き金となり、「局所」と「局所から離れた場所」に痛みが出現する「関連痛パターン」が出現します。首や首すじの筋肉のトリガーポイントが原因で、頭痛につながることがあるのです。

鍼は、トリガーポイントの治療として有効な治療法です。トリガーポイントは、皮膚の表面ではなく、筋肉内に形成されます。鍼は、体内に刺入することが出来る為、トリガーポイントへの直接のアプローチが可能です。首や首すじに形成された索状硬結に鍼を刺入することで、トリガーポイントによる筋肉の痛みや頭痛の緩和につながることが期待出来ます。

寝違えの鍼治療

寝違えは、中医学では「落枕らくちん」と呼ばれており、起床時に首まわりの筋肉に緊張がみられ、筋肉の激しい痛みによって、首を動かすことが困難になります。寝違えは、肩こりと同様、医学用語ではなく、正式には、「急性疼痛性頚部拘縮」と呼ばれております。寝違えは、頚部の整形外科的疾患である「頚椎椎間板ヘルニア」や「頚椎捻挫」などを発症していないケースであれば、安静にしていれば、長くても1週間程で症状が落ち着きます。しかし、先ほどお伝えしたように、寝違えによる症状は、日常生活に支障が出るほどの辛い痛みと運動制限を伴います。積極的な治療を行い、一日でも早く、快方に向かいたいものです。

寝違えは、首まわりの筋肉が強く緊張しており、その筋肉の緊張によって、痛みのセンサーである「侵害受容器」を刺激することで、首まわりに強い痛みを引き起こします。寝違えによる症状を和らげる為には、首まわりの筋肉の緊張を和らげることが大切であると考えております。鍼は、筋肉の痛みや硬さを軽減し、筋血流量を高める効果があります。筋肉のコンディショニングを高める方法として適しております。寝違えは、鍼治療の適用であり、即効性があるのです。

寝違えの治療穴として、「落枕穴らくちんけつ」があります。落枕穴らくちんけつは、手にあるツボであり、人差し指(第2指)と中指(第3指)の間の拳(中手指節関節)の高さにあります。その付近を押した時に、「筋張っていて、重い痛みを感じる場所」が落枕穴らくちんけつです。落枕穴らくちんけつを押した時に、少しでも首が動かしやすくなったら、効果がある可能性が高いと判断出来ます。刺鍼時に少し痛みはありますが、落枕穴らくちんけつは、寝違えの治療穴として、即効性があります。また、落枕穴らくちんけつは、経験的に見つけたツボであるといわれております。科学的な根拠はありませんが、現在まで治療穴として存在していることが、最大の根拠であると考えております。

後頭下筋群(首の付け根)のコリへの鍼治療

後頭下筋群(大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋)は、首の付け根にある小さな筋肉群です。頭の位置を安定させる作用があり、そして目線の動きに関係しているといわれております。何かしらの原因で、後頭下筋群に反復的なストレスが加わり、首の付け根のコリが出現すると、首の付け根の痛みだけでなく、頭痛につながる可能性が出てきます。しかし、頭痛を引き起こす原因は、筋肉の緊張によるものだけではありません。頭痛の原因は、数多くある為、まずはクリニックなどで専門の医師に受診されることをおすすめします。医師から診察を受けて、特に画像などでの異常所見が見当たらなかった場合は、首の付け根のコリによるものである可能性があります。

後頭下筋群は、首の付け根を走行する筋肉であり、「後頭骨の付け根」と「上部頚椎(首の背骨)」に付着しています。そして、後頭神経(大後頭神経、小後頭神経など)と呼ばれる神経は、後頭下筋群の近くを走行しており、頭部の知覚を支配しています。スマホ首(ストレートネック)などが原因で、後頭下筋群が緊張すると、後頭神経を圧迫し、頭痛につながってしまうのです。後頭神経の圧迫によって引き起こされる頭痛などの症状は、「後頭神経痛」と呼ばれております。後頭神経痛による頭痛を軽減する方法として、後頭下筋群の緊張を和らげることが大切になってきます。

鍼治療は、後頭下筋群の緊張を和らげることが出来ます。後頭下筋群は、皮膚表面ではなく、身体の深部に存在します。鍼は、体内に刺入することが出来る為、奥深くにある後頭下筋群に直接治療することが可能です。後頭下筋群の緊張を和らげる方法として、鍼は有効なのです。後頭下筋群の緊張による頭痛の治療は、鍼の適用であり、即効性があると考えております。

肩こりによる肩甲骨の痛みへの鍼治療

肩こりでお悩みの方の多くは、猫背などの前傾姿勢になっていることが多く、そして肩甲骨が外側に開いている傾向があります。肩甲骨が外側に開くと、肩甲骨まわりの筋肉にストレスが加わり、肩甲骨の痛みにつながる可能性があります。

肩甲骨は、胸椎(胸の背骨)の外側にある逆三角形の形をした平らな骨です。肩甲骨は、可動範囲(動く範囲)が広く、胸を張ったり、肩を動かしたりするなどの多くの動作に関わっています。猫背などの前傾姿勢などが原因で、肩甲骨の可動性が小さくなると、首や首すじ、そして背中の筋肉の痛みにつながってしまうのです。

肩こりと大きく関わっている肩甲骨まわりの筋肉は、「僧帽筋」と「肩甲挙筋」、そして「菱形筋りょうけいきん」です。

僧帽筋は、首の付け根から肩甲骨、そして背骨などに付着しております。僧帽筋は、背中に広がっている大きな筋肉であり、肩をすくめたり、肩甲骨を背骨に寄せる作用があります。

肩甲挙筋は、頚椎(首の背骨)と肩甲骨に付着しており、肩をすくめる動作(肩甲骨の上内方に引き上げる)に関わっています。肩甲挙筋が緊張していると、肩をすくめた時に痛みが出現しやすくなります。

菱形筋りょうけいきんは、背骨(頚椎と胸椎)と肩甲骨に付着しており、僧帽筋の深部にある筋肉です。菱形筋りょうけいきんは、肩甲骨を背骨に寄せる作用があります。

僧帽筋、肩甲挙筋、そして菱形筋りょうけいきんの筋肉の緊張は、肩甲骨まわりに痛みにつながる可能性があります。それらの筋肉の痛みや緊張によって、肩甲骨が外側に開き、肩をすくめた状態になりやすくなります。そして、スマホ首(ストレートネック)につながる可能性が出てくるのです。

肩こりによる肩甲骨の痛みを和らげる為には、肩甲骨まわりの筋肉の緊張を和らげる必要があります。肩甲骨まわりの筋肉が緊張すると、筋肉内にある痛みのセンサーである「侵害受容器」を刺激することで更なる痛みを引き起こします。痛みのスパイラルを断つためには、肩甲骨まわりの筋肉の緊張を和らげることが大切になってくるのです。

肩甲骨まわりの筋肉の緊張を和らげる治療法として、鍼治療は有効です。肩甲骨まわりの筋肉は、複数の筋肉が重なっています。目的の筋肉に直接治療する為には、刺入深度を調整することが出来る鍼が向いているのです。肩こりによる肩甲骨の痛みの治療は、鍼の適用であり、そして効果的であると考えております。

スマホ首(ストレートネック)の鍼治療

スマホ首とは、いわゆるストレートネックのことです。そして、ストレートネックは、頚椎(首の背骨)の前方凸のカーブ(前弯)が失われている状態です。真横から見ると、頚椎(首の背骨)のカーブが、真っ直ぐに近づいていることから、ストレートネックと呼ばれております。また、ストレートネックは、巻き肩になっていることが多いです。巻き肩とは、肩が内側に入っている状態です。巻き肩によって、頭の位置が重心線に対して、前側にスライドしている為、首や背中などの筋肉に常にストレスが加わってしまいます。スマホ首は、肩こりや首こりにつながる可能性が出てくるのです。

スマホ首は、首や背中の筋肉が緊張していることが多いです。それらの筋肉の緊張は、筋肉内の痛みを感じるセンサーである「侵害受容器」を刺激し、首や背中の痛みを誘発します。また、首や背中の筋肉の緊張は、筋血流量の低下を引き起こし、筋肉内に発痛物質や老廃物が滞りやすくなります。筋肉の緊張と筋血流量の低下によって、首や背中の痛みを引き起こしてしまうのです。スマホ首を改善する為には、首や背中の緊張を和らげ、血行を良くすることが、大切なのです。

鍼は、刺激部位付近での筋肉の緊張を和らげ、筋血流量を高める効果があります。筋血流量が高まると、筋肉内の発痛物質や老廃物を洗い流すことによって、筋肉のコンディションが高まります。鍼治療は、首や背中の筋肉の痛みを軽減する効果があるのです。また、首や背中の筋肉へのストレスを軽減する為には、胸が張れやすい骨格に調整することが大切です。胸が張れやすい骨格とは、「肩甲骨が背骨に寄せやすくなっている状態」です。その為には、身体全体の骨格バランスを調整することが大切になってきます。

  • 身体全体の土台である「骨盤の歪み」を調整します
  • 頭部と頚椎(首の背骨)の関節である「環椎後頭関節」を調整します

胸が張れやすい骨格に調整することで、スマホ首の改善の助けになります。スマホ首の治療を行う際は、「緊張した筋肉への鍼治療」と「胸が張れやすくなる為の骨格の調整」を行うことが大切であると考えております。

肩こりに伴う吐き気への鍼治療

慢性的な肩こりによって、首や背中の筋肉に緊張状態が続くと、吐き気につながることがあります。吐き気の原因は、多岐にわたる為、まずはクリニックなどの専門医に受診されることをおすすめします。医師からの診察を受けて、検査結果に異常が見当たらず、首や背中の筋肉が硬くなっている状態は、肩こりに伴う吐き気である可能性が高いです。

肩こりなどが原因で、首や背中の筋肉が緊張すると、身体のこわばりによって交感神経が優位になりやすくなります。交感神経優位の状態は、血管の収縮に伴い、首や背中の筋肉の血流量の低下につながります。筋肉の血流量が低下すると、筋肉内に発痛物質や老廃物などが滞りやすくなり、首や背中の筋肉に痛みや緊張を引き起こします。それらの筋肉の痛みや緊張によって、交感神経が更に優位に働き、自律神経の失調につながる可能性が出てきます。持続的な首や背中の筋肉の痛みや緊張は、吐き気や気持ち悪さなどの自律神経の失調症状を引き起こすことがあるのです。

肩こりに伴う吐き気の症状を軽減する為には、首や背中の緊張を和らげ、心身をリラックスする施術を行うことが大切になってきます。鍼治療は、緊張した筋肉を和らげ、そして自律神経の失調を整える効果があります。筋肉への鍼刺激は、刺激部位付近で筋肉の血流量を高める効果があります。筋肉の血流量の増加は、筋肉内に滞っている発痛物質や老廃物を洗い流し、筋肉の鎮痛効果や疲労回復効果につながります。また、心地良い鍼刺激は、副交感神経を優位とし、自律神経の失調を整える効果があります。さらに、セロトニンやドーパミンなどの脳内物質を増加することが分かってきています。脳内でのセロトニンやドーパミンの分泌量の増加は、精神面でのリラックス効果や鎮痛効果があるといわれております。心地良い鍼刺激は、心身のリラクゼーション効果があるのです。肩こりに伴う吐き気は、鍼の適用であり、効果的な治療法であると考えております。

肩こりを伴う顎関節症(顎の痛み)の鍼治療

顎関節症がくかんせつしょうは、「口を開けたときにアゴが痛くなる」、「アゴを動かした時にカクカクと音がする」、そして「口が開けづらくなる」といった症状が出現します。顎関節症がくかんせつしょうにはさまざまなパターンがあります。まず、関節の障害を伴う顎関節症がくかんせつしょうは、歯科や口腔外科などの専門家による治療が必要になってきます。それ以外に、関節の障害を伴わない顎関節症がくかんせつしょうがあります。それは、アゴの筋肉の酷使などが原因で、顎関節症がくかんせつしょうを引き起こすケースです。具体的には、歯を食いしばる、頬杖をつく癖がある、そしてストレスによる精神的な緊張によるものです。それらの原因によって、顎関節に持続的なストレスが加わると、アゴの筋肉に緊張を引き起こします。アゴの筋肉の緊張によって、咀嚼筋そしゃくきん(顎を動かす筋肉)にトリガーポイントが形成されます。そして、咀嚼筋そしゃくきんのトリガーポイントを伴う顎関節症がくかんせつしょうつながる可能性が出てくるのです。

咀嚼筋そしゃくきんには、咬筋こうきん側頭筋そくとうきん外側翼突筋がいそくよくとつきん内側翼突筋ないそくよくとつきんがあります。食物を咀嚼したり、声を出したりなどで作用するアゴの筋肉です。トリガーポイントとは、筋肉の痛みであり、筋肉内にロープ状の硬結を触れることが特徴です。咀嚼筋そしゃくきんにトリガーポイントが形成されると、顎関節だけでなく、目の周辺、そしてこめかみにも痛みが出現する「関連痛パターン」を持ちます。つまり、咀嚼筋そしゃくきんのトリガーポイントを伴う顎関節症がくかんせつしょうは、アゴや目の周辺、そしてこめかみの痛みを引き起こす可能性が出てくるのです。

咀嚼筋そしゃくきんのトリガーポイントを伴う顎関節症がくかんせつしょうは、鍼治療の適用です。なぜなら、咀嚼筋そしゃくきんのトリガーポイントは、皮膚の表層ではなく、筋肉内に形成されているからです。鍼は、体内に刺入出来る為、筋肉内のトリガーポイントに直接アプローチすることが可能です。トリガーポイントによる筋肉の痛みへの治療は、鍼の得意分野なのです。

顎関節症がくかんせつしょうは、顎関節の症状だけでなく、肩こりや首の痛みを伴うケースが多くみられます。なぜなら、アゴの動きは、咀嚼筋そしゃくきんだけでなく、僧帽筋や胸鎖乳突筋などの首まわりの筋肉も関わっているからです。顎関節症がくかんせつしょうの治療を行う際は、咀嚼筋そしゃくきんへの局所の治療だけではなく、身体全体の施術が必要になってくるのです。顎関節症がくかんせつしょうは、アゴだけの問題ではなく、身体全体に影響を及ぼしているのです。

手のしびれを伴う胸郭出口症候群の鍼治療

整形外科的疾患である胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんは、「手や腕に痛みやしびれを感じる」、「手に力が入りにくくなった」などの症状を訴えることが多いです。そして、胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんは、腕神経叢わんしんけいそうと呼ばれる神経の束が、何かしらの原因で圧迫されることによって起こるといわれております。胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんの主な症状は、腕から手にかけての痛みやしびれなどです。

腕神経叢わんしんけいそうとは、第5頚椎~第1胸椎(首の背骨~胸の背骨)から出る脊髄神経の束です。腕神経叢わんしんけいそうは、背骨から出て、首の横にある筋肉(前斜角筋と中斜角筋)の間を通過し、鎖骨の下を通って、わきの下、そして腕や手などの上肢全体に分布しています。また、腕神経叢わんしんけいそうは、腕や手などの上肢全体の運動や知覚を支配しております。筋肉の硬さなどが原因で、神経のどこかしらの部位が圧迫されると、上肢の痛みやしびれにつながる可能性があります。腕や手の痛みやしびれを伴う胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんは、首の状態と密接に関わっているのです。

肩こりでお悩みの方の多くは、巻き肩である傾向があります。巻き肩とは、肩が内側に入った状態です。巻き肩によって、頭の位置も前側にスライドし、いわゆるストレートネック(スマホ首)の状態になりやすくなります。ストレートネックの状態は、首まわりの筋肉の硬さにつながることが多いです。首まわりの筋肉の緊張は、腕神経叢わんしんけいそうを圧迫する原因となり、手や腕のしびれや痛みなどを引き起こします。肩こりなどが原因で、首まわりの筋肉の緊張によって、胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんになる可能性が出てくるのです。

胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんの方の多くは、首まわりの筋肉が硬くなっていることが多く、そして胸が張れにくい状態である傾向があります。胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんの治療を行う際は、筋肉の緊張を和らげるだけでなく、身体全体の骨格バランスを整えることが大切であると考えております。具体的には、胸が張れやすくなる状態にすることです。

  • 骨盤の歪みを調整し、身体の土台である骨盤を整えます
  • ストレートネックの状態を軽減する為に、頭部と背骨の位置を整えます

胸が張れやすい状態にすることで、首まわりの筋肉へのストレス軽減につながります。

首まわりの筋肉の緊張を軽減する方法として、鍼治療が有効であると考えております。先ほどお伝えした通り、胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんは、腕神経叢わんしんけいそうへの圧迫によって、引き起こされる症状です。

  • 腕神経叢わんしんけいそうが、首の横にある筋肉(前斜角筋と中斜角筋)を通過する部位
  • 腕神経叢わんしんけいそうが、鎖骨の下(鎖骨と第一肋骨の間である肋鎖間隙)を通過する部位
  • 腕神経叢わんしんけいそうが、胸の筋肉である小胸筋の下を通過する部位 など

それらの首まわりの筋肉の緊張によって、胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんを引き起こす可能性が出てくるのです。胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんの原因を特定する際は、それぞれの部位への触診を行い、腕神経叢わんしんけいそうを圧迫している部位を同定します。施術部位に対して、鍼治療を行うことで、刺激部位付近での血行が良くなり、筋肉の緊張の緩和につながります。肩こりなど、首まわりの筋肉の緊張によって引き起こされる胸郭出口症候群きょうかくでぐちしょうこうぐんは、鍼の適用であり、効果的な治療法であると考えております。

反復的な前傾姿勢は痛みの原因となります

前傾姿勢は、骨格アライメント(骨や関節の並び方)の不整を引き起こし、首や背中、そして腰の痛みの原因となります。首、背中、及び腰の痛みは、筋スパズム(筋肉が緊張している状態)を起こし、より一層筋肉を硬くします。硬くなった筋肉は、痛みを感じるセンサーである侵害受容器を刺激し、更なる痛みを誘発します。これらの負のスパイラルをもたらし、慢性的な痛みを引き起こす可能性がでてくるのです。これらの痛みのスパイラルを断つ為に、骨格アライメント(骨や関節の並び方)の不整を整え、筋肉や関節への不要なストレスを軽減させる事が有効であると考えています。

骨格アライメント調整の必要性について

首の痛みを訴えている方の多くは、前傾姿勢の傾向があります。同時に背中や腰にも負担がかかっていることが多いです。患者様に首の施術を行う際は、患部だけでなく、身体全体のバランスを考えて、腰や背中の施術も同時に行います。また、患者様の中には胸が張れにくく、重心線から肩が前にでている場合が多いです。胸が張れやすい骨格へと調整する為には、「骨格アライメント(骨や関節の並び方)の調整」を行う必要があると考えています。骨盤は身体の土台となっており建物でいうと1階部分に相当します。土台に歪みがあると上層階に相当する首や背中にも影響が出てくるのです。

頚椎カラーの着用について

首の症状を軽減させる為の固定方法としては、頚椎カラーの着用をおすすめしています。頭の重さによって首に負担がかかります。頚椎カラーを着用する事で、頭の重さによる首への負担を軽減させる効果が期待できます。

頚椎カラーの着用が理想的ですが、常に手元にあるとは限りません。頚椎カラーの代用として、フェイスタオルを用いた簡易的な方法があります。

  • フェイスタオルを縦に三つ折りにします
  • 三つ折りにしたフェイスタオルをロール状にします
  • 包帯を巻く要領で、首を締め付けすぎない様に、優しく巻き付けます

フェイスタオルを用いた方法は、首への負担を軽減する簡易的な方法として、効果を発揮してくれると考えております。

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